福富ストラット

「記者ときどき農夫」。広島の山里で子ども向け体験農園づくりにいそしむ、アラフォー新聞記者のブログ。

みなさんのおかげです 脱穀編

2019-11-25 00:46:07 | 日記
 不登校などの子どもたちに使ってもらおうと構想する「こども農園」(仮)づくり。その実現に向けた田んぼ作戦(脱穀編)が決行された。今回の舞台も、福富町のわが家のすぐそばにある田んぼ。ひと月ほど前にボランティアのみんなと刈って天日干ししていた稲を、脱穀した。

 数日前までは雨予報だったが、天気はなんとか持った。「湿った南風」の影響で寒さも緩んでくれた中、地元の農家さんや町内外から駆け付けてくれた親子、学生たち計20人余りが集結。田んぼの持ち主であるマッチョ大家さんの倉庫で眠っていた木枠の「足踏み脱穀機」や、隣の地区の農家さんが貸してくれた民具博物館収蔵品のような「千歯扱き」を使って、アナログな脱穀を体験した。
 まずは「実験台」とばかり、大人が挑む。器具をこぐ足と、稲束を振るう手とがなかなかかみ合わない。「うーん、日が暮れますね」

 脱穀初体験のアラフォー隊員も、ぎこちなくチャレンジ。要領をつかんでくると、体を使った単純作業がなんだか心地いい。じわじわと汗がにじむ。フィットネスジム「田んぼ」だ。あ、足がしんどっ。「替わって」「えっ、早くない!?」。ツッコまれる。
 初めはおっかなびっくりだった子どもたちも、すぐにガンガンと小さな手いっぱいに稲わらを運んできて、アナログ器具と格闘。穂からパラパラと実が取れていくと、誇らしげな表情を浮かべる。「こうやってご飯ができていくんだねぇ」。見守る親たちが、しごく正しい感想をこぼす。
 隊員を筆頭にきっぱりと「素人」たちの手作業。その進ちょくを見ながら、農家さんたちが残りの稲をコンバインでさっさと脱穀していく。わらは裁断して田んぼにまき、一部は切らずに野菜などの保温材用に取っておく。玄人の仕事は、手早く無駄がない。
 1時間半ほどで作業は終了。初めて会った子どもたちは、いつのまにか虫取りや激しいドッジボールを始めている。
 地元の女性たちがこしらえてくれた豚汁やジャンボいなりで昼食を取る。子どもたちはわが家にある楽器に興味津々で、太鼓やギター、三線でやけっぱちのBGMを奏でてくれる。参加者が差し入れてくれた手作りクッキーもおいしく味わった。
 たまたま台風で稲が倒れていたのをきっかけに、ずうずうしく地元農家さんに頼んで関わりつつある田んぼ。「これをよしみに、来春は田植えから教えてくださいね」。ランチタイムに乗じて、あらためてお願いする。「やってみんさい。そばにある、もうちいと小さい田んぼがええかもね」。おっ。やった! 最後に、野良仕事ド素人隊員が初めて作ったか細いダイコンを収穫して、お開きとした。

 今日は、近郊のフリースクールの運営者の方も見学に来てくれる予定だったけど、急きょの業務のため参加がかなわなかった。でも、関心を寄せてもらえているのはうれしい。アドバイスを受けながら、つながっていかせてもらいたい。
 何はさておき、ローマ教皇もやってくる日に、隊員の懲りない呼び掛けに応じてくれたみなさん、前日からの準備や当日の指導をしてくれた農家のみなさん、ありがとうございました! 米はこれから籾すりを経て、玄米となります。稲刈りに来てくれた方々も含め、何らかのかたちで食べてもらえるようにしようと思います。

 思えば、ひと月前の稲刈りの日は「即位の礼」。なんだか、福富の田畑にロイヤルな香り漂ってきたぞ! え!?


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