高須番長の書道ブログ

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不思議のトルファン7 中国一甘いブドウはなるべくして生まれた。

2014-09-13 01:13:33 | 気候、海流の話
2014年9月13日

 今まで トルファンは 猛暑、酷寒などと表現してきて、
いいとこ無しみたいに思われるが、決してそんなことはない。

ちゃんと産業もあり、特産物もある。
それがブドウ産業であり、中国一甘いブドウである。

実は、中国は今や世界一のブドウ生産国であり、
トルファンは重要な生産地なのである。

ちょっと古い資料だが、2012年の世界のブドウ生産量ベスト5を示す。

カリフォルニアや地中海
沿岸諸国でもない。

中国がダントツ1位とは
驚きである。

中国の中でも
トルファンは一大生産地
の位置づけである。

 

 




では、なぜトルファンのような土地がブドウ栽培に適しているのか?
また、なぜトルファンのブドウが中国一甘いと言われるのか?

1、ブドウは 水はけがよく乾燥した土地を好む。

2、雨が少ない=日照時間が長い というわけで、
  日中十分な光合成がなされ「でんぷん」として、
  多くを葉や実に蓄えることができる。

3、夜間は呼吸により、でんぷんが消費されるが、
  急激に冷え込むことで、でんぷんの消費が抑えられ、
  十分に蓄えることができる。
  同時に、糖分を分泌し果実の凍結を防ごうとする。

4、木自身 水分の摂取が少ないため、実の糖分が濃縮される。
  水分の摂取が多いと、実にも水分が行き渡るが、
  水分の摂取が少ないと、水分は行き渡らない。
  例えて言えば、前者がカルピスウォーター
  後者が薄める前のカルピス原液と言うことになる。

これだけの条件がそろえば ブドウはいやが上にも甘くなる。
中国一甘いブドウは、なるべくして生まれたのである。

 

 

 

 

トルファン近郊、葡萄溝(ブドウ生産地)の人々。
地元の人々にとって ブドウはもはや生活の一部なのである。

【参考】 
日本国内で年間日照時間が最も長いのは 山梨県甲府市である。
また、甲府市は盆地のため昼夜の寒暖差が大きい。
まさに、トルファンと似た条件がそろっている。
甲府市がブドウの名産地であることは言うまでもない。
これまた、なるべくしてなったと言えるだろう。