よろず戯言

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あさひなぐ

2017-10-20 19:41:40 | 映画

先日の休みに映画を観てきた。

乃木坂46の西野七瀬主演のドラマ、“あさひなぐ”だ。

原作はこざき亜衣氏の同タイトルの漫画。

監督は、ハンサム☆スーツ,トリガール!英勉氏。

キャッチコピーは、“青春って、メンドウっスネ!”。

 

 

劇場で大きなポスターを見て、興味を持った。

青春スポ根モノは好きなジャンル。

それが、バレーでもテニスでもダンスでもなく、ナギナタだぜ?

数年前に観た、成海璃子主演の書道ガールズを思い出した。

あれも書道部ってのが珍しくて、観てみたら、すっごく面白かった。

昨年だったか、広瀬すず主演で、百人一首だったかの、ちはやふるってのも公開され、

あれも興味があったのだけど、前編後編に分かれた二部作だったのでスルーした。

 

それで、この作品、原作が漫画だとか、主演はじめ主要キャラの多くに、

アイドルグループ、乃木坂46のメンバーがキャスティングされているということも知らず、

予告編も、ただの一度も観ることなく、ともかくナギナタってのに惹かれて鑑賞することに。

 

  

二ツ坂高校、新一年生の東島旭(西野七瀬)。

暗く控えめだった中学校生活から一転し、

高校生活で、新しい自分に生まれ変わろうと初登校。

その途中、露出狂に出くわすが、上級生の女子生徒から助けてもらう。

助けてくれた、その先輩のカッコ良さに憧れてしまう旭。

彼女は手に、長い棒状の物を携えていた。

 

 

その後、新一年生を歓迎する部活紹介で薙刀部が登場。

コミカルなリズム薙刀を披露するが、それに思わず笑ってしまう旭。

「今笑ったやつ!手を挙げろ!」

笑った一年生をいきなりどなり散らす、薙刀部員のひとり。

それは、朝、旭を露出狂から助けてくれた、カッコイイ先輩だった。

その先輩の名は、宮路真春(白石麻衣)。

幼少の頃から薙刀をやっていて、二年生でありながらも、

二ツ坂高校薙刀部いちの実力者だった。

 

 

部活紹介の際の真春の策により、放課後、薙刀部が練習する武道場へと行く旭。

その策に同じくハマってしまった、新一年生が他にもふたり。

裕福な家庭で育った毒舌お嬢様、紺野さくら(松村沙友理)と、

幼少の頃から剣道をやっていたという、八十村将子(桜井玲香)。

旭とさくら、将子の三人は、上級生たちの甘い言葉に騙され、その場で薙刀部へ入部してしまう。

中学時代はずっと美術部、運動音痴な旭は不安で戸惑いながらも、

薙刀への強い興味と熱い思いを募らせていく。

 

 

翌日の放課後から厳しい練習がスタートする。

二ツ坂高校名物、長い二段の坂道をアヒル歩きでしごかれる。

旭たち新入部員をしごくのは、二年生の三人。

部のエース真春と、次期部長の野上えり(伊藤万理華)、

そして太っているけれど俊敏な大倉文乃(富田望生)。

その坂の一番上まで辿り着いたとき、美しい夕焼けが部員たちを照らす。

「ようこそ薙刀部へ!」

さっきまでしごいていた二年生たちが笑顔で三人を迎える。

途中でくじけず、昇りきった者だけが目にすることのできる光景だった。

 

 

袴を着て防具を付けて、いよいよ薙刀の稽古がはじまる。

しかし運動音痴の旭は、他の二人に大きく後れを取り、なかなか上達しない。

そんななか、三年生最後の大会となる、夏のインターハイが始まる。

三年生4人に、エースの真春を加えた必勝の人選で挑む団体戦。

順調に決勝まで駒を進めるも、決勝戦で対峙した国陵高校に敗退してしまう。

国陵の一年に、薙刀の天才少女、一堂寧々(生田絵梨花)が居たのだった。

まさかの敗退に泣き崩れる三年生たち。

悔しがる、えりと文乃。

自分の不甲斐なさを攻める真春。

 

 

三年生が引退した夏休み、新部長となったえり率いる二ツ坂高校薙刀部。

顧問である小林先生(中村倫也)にそそのかされて、山奥の尼寺で強化合宿する羽目に。

そこに居た尼僧、寿慶(江口のりこ)によって、地獄の特訓がはじまる。

薙刀の教士の資格を持つ、達人の寿慶。

その鬼のような猛特訓に、真春でさえもふらふらになる。

そんななか、ひとり稽古をさせてもらえず、井戸から大甕にひたすら水を入れる役を言い付けられた旭。

悔し涙を流しながら、ひたすら桶に水を汲んで長い階段を昇降する。

旭のその姿に、合宿を抜けだそうとしていた、将子とさくらも思い留まるのだった。

 

 

旭も甕を水で満たしてから、寿慶に稽古を許可されて、皆と同じように猛特訓に参加した。

誰よりもヘタだけど、誰よりも負けん気が強かった。

へろへろになりながらも、声を上げて寿慶に立ち向かって行く。

寿慶の地獄のしごきを経て、薙刀部はひと回り大きく成長する。

 

そうして迎える、秋の大会。

打倒・国陵を掲げて挑む、二ツ坂高校薙刀部。

マークすべきは、宿敵・一堂寧々。

エースの真春を大将に据えて、副将まででポイント優勢で進める作戦。

無理にポイントを稼がず、相手にポイントを取らせない作戦に出る。 

その作戦のために、えりが取った消極的戦法、

そうして真春の大将戦に繋いだが、それがまさかの結果に――。

 

 

バラバラになる薙刀部。

練習に姿を見せなくなった真春。

意欲を失ってしまう、他の部員たち。

それを見て、ひとり奮起する旭。

皆にハッパをかけて、真春を呼び戻す。

 

「一堂寧々なんか、来年私がぶちのめしてやりますから!」

夏のインターハイのとき、落ち込む仲間たちに向かって思わず叫んだ旭の言葉。

運動音痴で、薙刀もまだまだ弱いけれど、それでも誰よりも負けん気が強い旭。

旭の熱い思いが再び、二ツ坂高校薙刀部をひとつにする――。

 

 

なかなか面白かった。

ありきたりで解りやすい、セオリーを全て踏襲した熱血スポ根モノだけど、

それが、清々しいくらいに直球で逆に爽快に感じる。

ヘタに恋愛とか家庭環境とか、そういう要素を深く持ちこまず、

もうひたすら、ナギナタで打倒国陵で、最後までそれで行ってくれるのでストレスゼロ。

キャラクターもすごく判りやすく、個性があってすごくいい。

 

 

アイドルグループがレギュラー陣を固めていたのだが、ほとんど気にならなかった。

もしこの映画、自分が観ようと思う前に、それが判っていたならば鑑賞するのを止めていたかもしれない。

すごくもったいないことをするところだった。

アイドルグループがキャスティングされているから・・・と敬遠している人が居たら、

そういった先入観は取っ払って観るべし。

乃木坂46って、実を言うとまったく知らない。

メンバーの名前も顔も楽曲も。

というか、なんで48じゃないの?と思ったくらい。

どうやらAKBとかNMBとかとは別シリーズ?なのね。

 

 

主要メンバー以外にも、十数名ほどキャスティングされていたようだが、

やっぱり注目すべきは、薙刀部員として活躍していた5名だろう。

なかでも、八十村将子役だった、桜井玲香ちゃん。

男前で鋭いまなざしのこの子、どっかで見たことあるよな~って、

観ながらずっと思っていたが、けっきょく判らず。

元モーニング娘。の、石黒彩の若い頃によく似てるが、それかな?

宮路真春役の、白石麻衣ちゃんも男前で良かった。

薙刀強くてクールで仲間想いと、非の付けようのないカッコいいキャラだけど、

実はお勉強がまったくできない超絶バカだという、ギャップもいい。

 

 

あと、主要部員のなかで、乃木坂46ではなく唯一の女優さん。

大倉文乃を演じた、富田望生ちゃん!

もう登場したときから、おおーーっ!また出た!!と心の中で叫んだ。

春に観た、チア☆ダン以来だ。

その愛嬌のある体型と顔、観る者を裏切らない大食いキャラ。

今回もまた、その体格からは想像できないフットワークを見せてくれる。

エアバーベキューのシーンは笑わずにはいられない。

 

 

薙刀部員をしごく鬼の尼僧、寿慶役に、江口のりこ。

大好きな女優さんのひとり。

こないだ観た、奥田民生になりたいボーイ・・に続いて連続でそのお姿を拝めるとは!

しかも今作では、つんつるてんに剃髪した強面の尼さんときた。

あの低めのボイスと、切れ長の顔、そして長身。

こんな人が薙刀の達人で、鬼のようにしごくのだから、そら強くなりますて。

 

 

薙刀のことは素人で、空気も読めず、浮かれてて軽い。

部員達からの信頼もゼロ。

だけど密かに部員たちのことを思っている(と思う)顧問の小林先生役に中村倫也。

ほぼアドリブっぽい、軽妙な喋りとコミカルな動き。

お笑い芸人か誰かがキャスティングされているのだと思っていた。

観終わって、それが中村倫也だと知って驚く。

前に観た、彼が主演していた、星ガ丘ワンダーランド

終始、影のあるシリアスな役だったあの時とは180°異なる役柄で、

役者さんって、つくづくすごいな・・・と思った。

 

 

旭が想いを寄せる男子役に、森永悠希

序盤からちょこちょこ登場し、中盤でその正体が明かされて、

終盤は二ツ坂高校薙刀部を見守る男子生徒。

この子もどっかで観たよな~と思っていたが途中で気付いた。

NHKの連ドラ、べっぴんさんに出てた、田中要次とももクロの子の息子やってたひとだ!

龍ちゃんだったっけ、あの役は問題児だったよな~。

今回はちゃんとした優等生役。

まだ高校生役ができるくらい、若い役者さんなのね。

 

 

監督の名前に見覚えがあったので調べてみたら、

こないだ観たばっかの、トリガール!と同じ監督だった。

なるほど、テンポの良さとか、キャラ同士のかけ合いとか確かに似てる。

この監督、立て続けに二作品楽しませてくれた。

矢口史靖監督同様に、今後、この監督の作品にも注目しようと思う。

 

 

それにしても、判りやすくて面白い映画だった。

薙刀もかっこいいな、剣道よりも見応えあるかも。

小中学生にもオススメ、ぜひ親子で鑑賞して欲しい。

実際、劇場でも親子連れがケラケラ笑っていた。

熱血モノだけど、笑いどころもたくさんある。

その演技に体当たりで臨んだ、アイドルたちに賞賛を贈りたい。

 

 

 



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