先日の休みに、ヒュー・ジャックマン主演のディズニー映画、
“リアル・スティール”を観てきた。
洋画を観るのは、今年3月に観た、
レイチェル・マクアダムス主演の、“恋とニュースのつくり方”以来。
あらためて自分は本当に洋画を観ないなあ。
けっこう前から、予告編が流れていた。
「この冬、感動が止まらない!」
「この冬、父子の絆が奇跡を起こす!」
えらく大仰なキャッチフレーズと、
著名人らが「泣けます!」だの「感動します!」だの、
試写会の客が涙ぐんでコメントするテレビCM。
まさに“全米が泣いた!!”みたいなありきたりで大仰な宣伝。
だが、それらに惹かれたワケでなく、純粋に面白そうだと思った。
“トランスフォーマー”を代表に、これまでもロボットものの映画はいくつかあったが、
CG技術を駆使した、良くも悪くも全開なハリウッド臭が自分を敬遠させてきた。
この“リアル・スティール”からは、それが漂ってこなかった。
なんとなく現実味を帯びた、文字通り“リアル”さを感じられ、
ロボットではなく、ヒトが主人公だったところもマル。
舞台は西暦2020年、そんな遠くない近未来のアメリカ。
元ボクサーだった、チャーリー(ヒュー・ジャックマン)は、
ロボット・ボクシングのトレーナーとして、
あちこちのイベントを転々としながらギャラを稼ぎ、細々と生活をしていた。
この時代、ボクシングをやるのは生身の人間ではなく、高性能のロボットになっていた。
人々がより激しくエキサイトなショーを求めていった結果、
ふつうのボクシングは廃れ、日本で始まったロボット同士の激しいボクシングが、
アメリカのみならず、世界中で最高の娯楽になっていた。
ある日、田舎街のイベントで猛牛相手のショーで破れ、
手持ちのロボットを大破して失ってしまう。
同時にそのファイトマネーを上乗せした賭けにも破れ、
借金を踏み倒して、イベント会場から逃げる。
自分の元居たボクシングジムに居候し、そこの家賃も滞納を重ね、
さらには支払うアテもないのに、新しいロボットを購入してしまう。
借金まみれの、どん底でロクでもない生活を続けるチャーリーのもとへ、
さらに追い打ちをかける出来事が起こる。
10年前に別れた妻が急死し、
11歳になるひとり息子、マックス(ダコタ・ゴヨ)の親権問題が発生する。
今さら子どもの面倒なんて、まっぴらごめんだと考えていたチャーリー。
幸い義理の姉がマックスを引き取る申し出をしてくれたが、
彼女の夫が資産家だというのに目を付けて、親権を譲る代わりに大金を要求する。
ただし、その“親権売却”は、資産家の義理の兄との内密な取引。
義理の姉に悟られぬよう、夫妻がイタリア旅行に行く2ヶ月間だけ、
マックスの面倒をみるということになる。
そんな腐りきったチャーリーの思惑を見透かしていたマックス。
到底うち解けることもなく衝突する。
大金をはたいて購入した新しいロボットも、いきなり大破して失ってしまう。
マックスの“親権代金”を、そのロボット購入資金に充てていたため、
また文無しになったチャーリー。
古いロボットのパーツを盗むため、スクラップ置き場へ侵入する。
そこてマックスが見つけた、捨てられ土中に埋もれていた、
一台の旧式ロボット(アトム)が彼らの運命を変える。
マックスの得意なコンピューターゲームと、
大好きなボクシング・ロボットのプログラムの知識、
元ボクサーだった、チャーリーのボクシングの技術、
そして父子のよく似た、強情な性格と、
なによりも強い相手にも果敢に立ち向かおうとする不屈の精神。
人生を諦めていた元ボクサーの父親。
最愛の母を亡くし、父親にも見放されようとしていた少年。
スクラップ場に捨てられていたアトム。
世間から見放された存在の3人(2人と1体?)に、いつしか強い絆が生まれ、奇跡を起こす。
すごく面白かった。
ヒューマンドラマとして、ロボットアクションとして、きちんと両立できている。
テーマが絞れていて、ストーリーが解りやすくていい。
子どもが観ても、じゅうぶん楽しめる内容。
ロボットアクションは、それがメインでないことを裏付ける。
戦いにマシンガンとかミサイルとかレーザー砲とか、そんな銃器は使わず、
だからといって、ソードやハンマー、ノコギリなど、刃物を使うわけでもない。
拳と拳、ちゃんと人と同じボクシングをやっている。
変形も合体も飛行もハデな爆発もない。
難をあげるならば、“日本”をイメージしたディテールがすこぶる悪い。
ロボット・ボクシングは日本が発祥という設定になっている。
で、そのロボット技術者のなかで、カリスマ的存在、タク・マシドという登場人物が居て、
ロボット・ボクシング界の絶対王者として、チャーリー達の前に立ちはだかるのだが、
まず俳優がどうみても、日本人でない(韓国系らしい)。
名前がおかしい。
タクが過去に作った名機で、“ノイジー・ボーイ”という機体が登場する。
戦国時代の武将よろしく、頭は兜をモチーフにしなようなデザイン。
胸にデカデカと、“超悪男子”とマーキングされている・・・。
そんな日本語使うヤツいねえよ!
パンツェッタ・ジローラモかよ!
ふつうなら“極悪少年”とか、そんなだろう?
“男子”とか、どうみても中国人に訳させただろう。
で、そんなのボディにデカデカとマーキングしない。
胸の片隅や肩に、“殺”とか“悪”とか“戦”とか、一文字二文字だ!
百式やバウを見習え!
さらには腕に“贖罪”とか、“苦痛”とかいう単語が電光掲示される。
意味解んねえ!!
マックスがラストの試合で来ているTシャツ、
でっかくカタカナで“ロボット”と・・・・。
舞妓さんが歌舞伎を舞っていた、“SAYURI”や、
日本人の花嫁衣装が、文金高島田ではなく、
チマチョゴリ(っぽい何か)だった、“幸せになるための27のドレス”、
アメリカ製の映画には、過去にも日本を誤解する描写が多々あり、
日本で公開するのなら、きちんと日本人スタッフを入れて、
こういうディテールはもっとしっかりして欲しいところ。
あと、大仰なキャッチフレーズは、やっぱり大仰だった。
感動しないこともないけれど、そこまでは・・・。
前売特典でもらった、クマみたいなよく解らない人形。
いらないな・・・。
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