先日の休みに映画を観に行った。
任天堂の世界的人気ゲーム、ポケットモンスター。
そのハリウッド版実写映画、“名探偵ピカチュウ”だ。
キャッチコピーは、“全世界待望のハリウッド超感電超大作”
原作は厳密にはニンテンドー3DSで発売されたアドベンチャーゲーム、“名探偵ピカチュウ”。
原題は“Pokémon Detective Pikachu”
“ポケットモンスターの実写映画、ハリウッドで制作決定!”
最初にこの報を知ったのはいつだったろうか。
自分の記憶にある限り、ゲーム原作の作品が実写映画化して、
これまでに良かったもの、面白かったものなんてひとつもない。
高校生の頃見た、スーパーマリオの実写映画、“スーパーマリオ 魔界帝国の女神”はじめ、
ストリートファイターⅡの実写映画、“ストリートファイター”も酷いものだったし、
きちんと観ていないけれど、バイオハザードやファイナルファンタジー(映画オリジナルストーリー)も、
個人的につまんね・・・と思った。
まだバイオハザードとか、トゥーム・レイダーはいい。
原作ゲームが、リアル頭身のキャラのアクションゲームだから、実写映画にも向くだろう。
ただ、ポケットモンスターはどうか?
あのかわいくデフォルメされたポケモンたちが、実写でどう描かれるのか?
しかも制作するのがハリウッドである。
あのスーパーマリオの実写映画に登場した、クッパやノコノコ達の不気味さったらなかった。
ゲームではないが、ハリウッド版ゴジラのデザインも酷いものだった。
ポケモン達も、あんなふうに、リアルを追求したようなデザインに刷新され、
オリジナルデザインとはかけ離れたものにされてしまうのだろうか?
ポケモンのデザインもさることながら、そのストーリーも問題だ。
ゲーム原作になかった設定を持ちだして、キャラ設定や相関も崩壊。
スーパーマリオでは、マリオとルイージが双子という設定すら無視され、
ヒロインがピーチ姫でなく、デイジーだったりと無茶苦茶。
ストリートファイターでは、原作との相関がぐちゃぐちゃで、
また、ベガはじめ四天王たちの名前が英語名準拠で入れ替わっていたため、
観ていて混乱するくらい、もうワケが解らない状態になっていた。
ゲーム原作の実写映画に関し、これまでのものがあまりに酷かった。
なので、今回公開されたポケットモンスターの実写映画も、観るつもりなんて微塵もなかった。
そしてしばらくしてテレビで放送された予告編CM。
うわーやっぱり・・・。
毛むくじゃらでフッサフサのピカチュウ。
粘液べとべとのベロリンガ、
ウロコだらけのリザードン・・・。
そのポケモンたちの質感が、CGでリアルに表現されているのに驚愕する。
しかもデザインが、あのデフォルメデザインそのままにだ。
これはないね・・・。
誰がこんなの観るんだよ!
そう思って、ハナで笑っていた。
ゴールデンウィーク。
映画公開直前。
息子とふたりテレビを観ていた。
たぶん平成から令和に変わる直前の特番だったと思う。
そのときにまた、不意にこの映画のCMが流れる。
前に観たのとは別バージョンでロングバージョンだった。
「・・・・。」
「なんか・・面白そうじゃない?」
「うん、バリヤードが面白そうやん!」
「たぶん話は面白くないやろうけど、ポケモン達がどうなってるのか見るだけでも面白そう・・・。」
「うん、他のがどうなっちょんか見てみたい。」
「今度観に行こっか?」
「うん、いいばい。」
まったく期待しておらず、誰が観に行くかよ!って思っていたこの映画。
予告編で見たCGのポケモン、バリヤードのひとり芝居(パントマイム)に魅了?され、
他のポケモン達がどう描かれているのかも見たくなってしまう。
最後にコーヒーを吹くピカチュウにも目が行った。
映画自体はつまらなくても、ちょっとネタ的に観たくなってしまい、
それに息子も同調してくれたので、当初の気持ちとは一転、この映画を観に行くことに。
このときはまだ公開前で、その後は残念ながら土日の休みがまったくなく、
息子と一緒に映画を観に行くことができず、ひとりで鑑賞することに。
保険会社で働く内気な青年ティム(ジャスティス・スミス)は、幼い頃に母親を亡くした。
かつてポケモンが大好きで、トレーナーを目指していたティムであったが、
母親の容体悪化で大切な大会へ参加できなくなり、トレーナーの夢をあきらめる。
以来、ポケモンを毛嫌いするようになってしまった。
また、仕事に没頭し、自身を祖母の元に置いたままだった父親とも疎遠になったままだった。
ある日、警察からティムの元へ連絡が入る。
交通事故で父親が亡くなったという知らせだった。
ティムは急ぎ電車に乗り、父親が住んでいたライムシティへと向かう。
警察署でティムを迎えてくれたのは、ヨシダ警部補(渡辺謙)だった。
ティムの父親は優秀な探偵で、ヨシダ警部補の良き同僚だったという。
とある事件を調べていた際、交通事故に遭ってしまったという。
ヨシダ警部補から父親の住んでいたアパートの鍵を預かり、その場所へと向かう。
既に父親への情など無く、悲しみもなかったが、遺品の整理をしなくてはならない。
父の部屋の郵便受けを開けた瞬間、若い女の子に声をかけられる。
パートーナーポケモンにコダックを連れた、ポニーテールの女の子。
彼女の名前はルーシー(キャスリン・ニュートン)、
ライムシティにあるメディア局、CNMの記者だという。
探偵であったティムの父親、ハリーの事故死を不審に思い、
その真相を探ろうと待ち伏せしていたのだった。
なんでもハリーはライムシティ全体に関わる重大な調査を依頼され、
それに深く介入してしまい、当事者に謀殺されたのではないかとルーシーは訴える。
しかし父への情の無いティムは、ハリーが追っていた事件にも死の真相にも興味がなく、
非協力的な態度でルーシーを追い返してしまう。
父の部屋に入るティム。
膨大な資料やメモが積まれていた。
デスクに座ると、謎の小瓶が目に付いた。
なんだろう?
思わずそのフタを開けてみると、紫色のガスが噴き出した!
ガスを吸い、せき込みながら窓を開けるティム。
そのときガスは、外に居たエイパムの群れに振りかかる・・・。
ハリーの部屋から別の部屋へ移るティム。
部屋中にポケモンのグッズが飾られ、大会のポスターなどが貼られている。
そこは・・・自分のために用意されていた子供部屋だった。
ハリーはティムを見捨てたわけではなく、
ずっとライムシティへと誘っていたのだが、それを頑なに拒んでいたのはティムだった。
父が自分のことを想い、部屋まで用意してくれていたことに驚くティム。
!
そのとき、部屋に何者かの気配。
身構えるティムの前に現れたのは、一匹のピカチュウ!
しかも・・・人の言葉を喋るピカチュウだ!
喋るピカチュウにパニックになるティムだったが、
凶暴化したエイパムの群れが窓から侵入し、ティムとピカチュウに襲いかかる!
急いで逃げるティムとピカチュウ。
さっきのハリーのデスクにあった謎の小瓶、それから噴出された紫色のガスを吸い、
エイパム達は一時的に凶暴化していたのだった。
カフェでコーヒーをすすりながらティムに語るピカチュウ。
彼はハリーの相棒だったという。
つまり、ハリーのパートナーポケモン。
誰しも一匹、パートナーポケモンを連れて共に生きているのだが、
ポケモンを毛嫌いするティムにはパートナーポケモンが居なかった。
そこで強引にティムのパートナーとなるピカチュウ。
彼もまた、交通事故の真相を知りたがっており、
遺体が見つかっていないため、ハリーはまだ生きていると信じていた。
しかし事故当時、ハリーと一緒に居たはずなのに事故以前の記憶がないという。
そのため、誰に襲われたのか判らない。
ルーシーが何か手掛かりを知っているかもしれない!
そう思ったティムは、彼女の勤務先であるCNMを訪ねる。
そこでポケモンを凶暴化してしまう、あの謎の小瓶「R」についての手掛かりを得て、その場所へと急ぐ。
夜の港から、地下にある違法ポケモンバトル場、そして事故の起こったポケモンの研究施設・・・。
ティムは疎遠になってしまっていたハリーのことを想いつつ、
ハリーの帽子を被り、おっさん口調で喋る“名探偵”ピカチュウとともに、
ライムシティ全体を揺るがす、巨大な陰謀渦巻く事件の真相へと迫ってゆくのだった。
面白かった!
謎解きがあるわけでもなく、複雑なトリックがあるわけでもなく、
正直、探偵モノと思って観ると肩透かしを食らうけれど、
それはそれ、子ども達が観ると思えば妥当なところ。
不安だったCGでリアルに再現されているポケモン達も、受け容れられなくはないレベルだった。
フォルムがそのままで質感だけがリアルになっているので、これは賛否両論ありそうではある。
ポケットモンスターの設定が大幅に変更されているわけでもなく、
初代からプレイしている自分であっても、まったく問題なく観ることができた。
おっさんの声でおっさん口調で喋るピカチュウも斬新。
人間社会にふつうに溶け込む、色んなポケモン達を見ているだけでも楽しめた。
四本の腕を駆使して交通整理をしているカイリキー、
その大声を活かし、バトルBGMに重低音を奏でるドゴーム、
マイクを握り締め、カフェでラブリーに歌うプリン、
警察とパートナーになっているガーディやブルー、
極め付けは、屋台でタコヤキ?を焼いているオクタン・・・。
そしてやっぱり忘れてはならないのがミュウツーの存在。
アルセウスだのネクロズマだのグラードンだのキュレムだの出てきても、
やっぱりポケモンでラスボスたる存在は、こいつに限る。
存在感がハンパない。
この夏公開予定のアニメは、初代ポケモンアニメ映画の復刻版、“ミュウツーの逆襲 EVOLUTION”。
ただ・・・フルCG化されての公開なので微妙だ。
ピカチュウやミュウツーのみならず、サトシにタケシ、カスミまでフルCG。
人間キャラまでCG化されちゃうと気持ち悪いのよね。
ポケモン好きは観て損はないと思う。
ただ、CGでリアルに描かれたポケモンには好き嫌いはあるかもしれない。
コダックの毛並みがちゃんと羽毛しているとこや、
リザードンやゼニガメ、キモリにはウロコがあるし、
ゲッコウガはヌメっていたり、ゲンガーはガス状だったり、
それはそれはリアルな質感で感心した。
ただ、バリヤードはそのまんまだった・・・?
ティムを演じた、シャスティス・スミスくん。
黒人の若い俳優さんだったが、ウィル・スミスの息子じゃん!って思ったら、
あっちは、ジャスティン・スミスだった。
名前が似ているから紛らわしいっ!
ポケモン嫌いの内気な青年だったが、ピカチュウとともに事件を追ううち、
父親譲りとしか思えない行動力と判断力で強大な敵に立ち向かっていく。
その演技が初々しくもあり、なかなか良かった。
ルーシーを演じた、キャスリンちゃん。
こちらもなんだか初々しくて かわいかった。
ヨシダ警部補を演じた渡辺謙。
ひたすら渋かった。
ブルーと一緒に居るところがなんとなく笑える。
もうちょっと出番があればよかった。
もう公開終了している劇場がほとんどだが、まだやっているところもある。
気になっているひとは早めに劇場に。
日本語吹き替えでティムの声を担当した竹内涼真も一瞬だけ登場!
ポケモン好きのひとは自分のオキニのポケモンが登場しないかチェックするのも楽しいかも。
よおく探すと、至るところに無数のポケモンが登場している。
あと、この映画を見ると、メタモンが最強だということが判った。
筋骨隆々としたミュウツー。
カビゴンはトトロみたい。
お腹の上で眠れそう。
顔がちょっと憎たらしくなっているが、バリヤードだけそのまんま・・・?
ネマシュもそのまんま・・・てか、これ変えようないよね。
パンフレットには限定ポケモンカードが付属!
おっさんの声で「ピカ、ピカ~!」は笑うしかない。
日本語吹き替えは、西島秀俊。
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