桃鉄の物件紹介。
今回は知覧の“あくまき屋”。
桃鉄では鹿児島の南に位置する物件駅。
さらに南にある枕崎とともに、鍵状ルートで袋小路になっており、
貧乏神避けや、目的地にサイコロが合わない時の退避場所になる。
あくまき屋はオーソドックスな食品物件。
臨時収入はないが、金額が安いので、
知覧茶畑とともに早い段階で購入しておき、中盤には独占したい。
鹿児島県南九州市知覧町、薩摩の小京都と呼ばれる歴史ある町。
江戸時代に島津藩の上級武士たちが豪勢な武家屋敷を連ね、
とくにその庭園は豪華で美しく、国の名勝に指定されている。
武家屋敷群そのものも、国の重伝建地区(重要伝統的建造物群保存地区)に指定され、
日本の道100選にも選ばれている。
昭和の太平洋戦争時には、陸軍基地が設けられ、
本土の最南端基地として、沖縄に上陸した米軍への特別攻撃隊(特攻隊)の出撃基地として、
ここから若い兵士達が、片道燃料のゼロ戦に搭乗し、その若い命を海に散らしていった。
・・・と知覧町の大まかな内容を書いたものの、
今回紹介する、あくまき(灰汁巻)は、知覧町に限らず、鹿児島県全域で作られている。
最近では鹿児島県だけにとどまらず、隣接する熊本県や宮崎県でも製造・販売されているとか。
近所のスーパーの鹿児島物産市で手に入れた。
灰汁(あく:木の灰を水に浸して作られる上ずみ液)に一晩つけ込んだもち米を、
同じように灰汁につけ込んでいた竹の皮でくるみ、
それをまた灰汁で長時間炊いてできたものが、あくまき。
保存食として鹿児島では昔から作り継がれてきた、郷土菓子。
ルーツを辿ると、戦の際の保存のきく兵糧として生み出されたとか。
ただし、諸説あって確かなことは判らないようだ。
そんな あくまきとの出会いは数年前。
その存在は前々から知っていたが、見たことも食べたこともなかった。
このとき近所のスーパーで初めて見かけて購入してみた。
きな粉をまぶして食べるのが一般的らしく、あくまきとともに きな粉も購入。
あくまき用にあつらえられた、あくまき専用?きな粉。
で、そのあくまきを食べる。
和菓子に目がない自分、わくわくしながら真空パックを開封する・・・。
!!
臭っ!!!
ツンと鼻をつく刺激臭。
なんだろう・・・この臭い。
温泉というか、ムトーハップ※というか、硫黄のようなそんな強烈な臭い。
悪い予感が頭をよぎる。
あくまき自体は、飴色をしていて柔らかく、なんだかブヨブヨした表面。
だが芯があるようで、全体を持っても形が崩れることはない。
表面には粘り気があり、包丁を入れると、ベタベタとひっついてしまう。
きな粉をまぶす。
大豆のふくよかな香りが鼻腔をくすぐるも、
それを遮るように、あくまきの刺激臭も襲ってくる。
本物の竹の皮に包まれている。
この竹の皮もあくまき生成に重要なんだとか。
そして、おそるおそるその強烈な臭いを放つ物体を口に含んでみた。
!
むわっ!!
臭いっ!!
口のなかが・・お口のなかが・・・、
ムトーハップの湯船で誤ってお湯が口に入ったような。
えぐみがあり、とても食べられたものじゃない。
若干甘みが感じられたが、それはきな粉に含まれている砂糖なだけかもしれない。
食感は悪くはない・・・だけど・・・。
最悪な風味を味あわないように、咀嚼もほどほどにすぐさま嚥下する。
なんというサタン味!
これは・・・・悪魔鬼だ!
――――
そんな体験をして、つい先月。
生協のパンフレットに載っていた。
しかも組合員のリクエスト商品として、そのオススメ紹介文とともに。
この組合員、そこまで勧めるのならば、この悪魔鬼、本当に美味いんだろうな?!
俺が数年前に食べたものは、サタン味だった。
あんたの言うこと信じて、そのあくまき、再チャレンジしてみようじゃないか!
・・・そんなわけで、またあくまきと対面することになった。
今回も竹の皮と真空パック。
これを開けると・・・。
きな粉を用意して、おそるおそる開封する。
・・・・・
臭っ!!
相変わらずの刺激臭。
これこれ、この臭いだよ。
竹の皮をめくると、飴色した物体が姿を現す。
数年の時を経て、またコイツと対峙することになろうとは。
あくまきよ、お前の真の美味しさを示せ。
きな粉をかける。
たっぷりと多めにかける。
あくまき自体は無味らしく、かける(付ける)調味料などによって味が決められる。
きな粉以外にも、砂糖醤油や黒蜜などでも美味しくいただけるらしい。
そして、あくまきを口に入れる。
!
やっぱり臭え!!
そしてえぐい!!
すぐに飲み込む。
だがしかし、なんだろう。
ひと切れ、またひと切れと食べるうちに、その臭さに馴れてくる。
で、それがだんだんと美味しく感じられてくる。
えぐみも、なんとなくオツなものに感じられてくる不思議。
よくよく味わえば、ウドやふきのとう、タラの芽に比べりゃ、全然大したことのないえぐみだ。
そんなこんなで一本をぺろりと完食。
あくまき、美味いかもしれない。
たまたま今回のメーカーのものが美味しかっただけかもしれない。
でもまあ、臭いとえぐみのダブルパンチはけっこうキツイ。
これは好みが真っ二つに別れる食べものだ。
数年に一度、味わえればいいかな。
未体験の方はレッツチャレンジ!
きな粉を用意するのを忘れずに!
ただし食べものだから、いくらまずくて臭くても、捨てたりせずに食べてしまおう!
※ムトーハップ(六一〇ハップ):武藤鉦製薬社製の昔からあるレトロな薬用入浴剤。
バブとかバスロマンとか、通常ある入浴剤の香料や着色料と温泉成分を混ぜたものと異なり、
硫黄や石灰などが含まれていて、香りやリラックス効果は無視。
薬効と成分を重視した、本格的な硫黄泉につかった気分になれる入浴剤。
あせもやとびひなどに効用があるとのことで、
自分らが子どもの頃、その治療にと、よく風呂にこのムトーハップが投薬されていた。
今回記事にするにあたって、このムトーハップを調べたところ、
数年前に流行した硫化水素自殺に利用されていたことを受け、同社が製造・販売を自粛。
そのまま再販のメドが立たずに、商品は絶版となっていた・・・。
なんてこったい・・・。
コメントありがとうございます。
きな粉に含まれる砂糖のみならず、
さらに砂糖等をかけろということですか?
甘みはあれで充分だと思ったのですが、
もっと増せばエグみも和らげられるってことかな?
本文にも書いていますが、
二回目のチャレンジで臭みエグみに少し慣れて、
おいしく食べられるようになったので、
今度は別の食べ方でチャレンジしようと思っているところです。
砂糖醤油や黒蜜きな粉あたりで挑もうと思っていますが、
食べ比べる前にから、やっぱりきな粉が一番のような気がします。
せっかくオススメ・・というかご指摘いただいたので、
奄美産の黒砂糖でいただきましょうかね。