冬のギフト花の王様(女王のほうがしっくりくるか?)、シクラメン“Cyclamen persicum”。
サクラソウ科の多年草。
以前紹介した、プリムラと同属らしく、ロゼッタ状に伸びた葉の中央から、
ひょろっとした花茎を伸ばして、次々に花を咲かせる。
日本ではその花の形状から、“カガリビバナ(篝火花)”との和名がある。
元々地中海沿岸の冷涼な地域に自生していたものが原種で、
日本の夏の暑さには耐えることができず、寒い冬に流通する。
ただ、耐寒性もそれほど高いわけでもなく室内管理が基本。
近年は耐寒性を備えた小型の品種も出回っており、
通常のシクラメンと区別して、“ガーデンシクラメン”※として、安価で販売されている。
こちらは風雪にも耐えるほどの耐寒性があるため、
花壇や外に置くプランターの寄せ植え花材として重宝される。
ガーデンシクラメン
鮮やかな花が密集して咲き、見栄えも華やかで豪華なため、
クリスマスあたりから、年末年始~春の卒業・転勤シーズンに至るまで、
この時期のさまざまな贈り物用の鉢花として重宝される。
そのため、けっこうな値段で販売されており、
大型のものや、芳香付きのも、変わり咲きのものなどは、
シンビジュームやカトレアなど、洋蘭をも凌ぐ価格をするものがある。
フリンジ咲き,ちりめん咲きなど、変わり咲きのシクラメン。
ただし、シクラメンの“シク”が「死苦」と語呂合わせ表記され、
見舞いや快気祝いに贈るのはタブーとされている。
だがそもそも鉢花をそれらに用いること自体、
やはり語呂合わせ“(病気が)根付く・・長引く”でタブーとされている。
次々に咲く花は、花が終わると結実し種を付ける。
が、どの植物もそうだが、種を実らせると株が弱ってしまう。
長い間、花を観賞したいのならば、花がらはまめに摘み取る必要がある。
もっとも、花がらを放置していると見苦しいし、
腐った花がらが、新しい花芽や葉の上に落ちて、
そこらからカビが発生したりして、連鎖して株を腐らせてしまうことにもなりかねない。
花がしおれてきたら放置せず、すぐに摘み取ることが鉄則。
シクラメンの底面給水式ポット。
水やりにも注意が必要。
ほとんどのシクラメンは鉢が特別な形状をしている。
受け皿と鉢が一体化した特別なポットで、底面給水式になっている。
上部の鉢の部分と下部の受け皿部の間に、水を挿す穴が設けられており、
水やりの際は、そこから水を注ぐ。
上部から垂れてきている繊維が水を吸い上げ、上部の鉢に供給してくれる。
他の花のように、株元へ水やりすると、
密集した花茎や葉茎に水が溜まり、すぐに腐敗してしまうからだ。
ただし、ガーデンシクラメンはこの必要はない。
ヤブコウジ,オタフクナンテン,葉ボタンなどとともに、
正月用の寄せ植えに用いられたガーデンシクラメン。
自分が子どもの頃に流行った歌で、布施明の“シクラメンのかほり”という曲がある。
実は聞いたことがなく、歌は全然知らないのだが、歌手名とタイトルだけは知っていた。
だが実際大人になって、シクラメンという花に出会って、
あの大ヒットした歌のタイトルにもなったその芳香、
どんなものだろうかと思ってかいでみたが、全然匂いがしない。
シクラメンって本当に匂いするの?とか首をかしげたもの。
香り付きのものも、かすかに匂う程度。
真相を調べてみたら、原種は芳香があったそうだが、
品種改良を重ねるうちに、芳香が薄れていったのだそう。
近年では、苦労の末、その芳香を復活させたものも出回りはじめ、
通常のシクラメンとは区別され、“芳香シクラメン(香りシクラメン)”として販売されている。
贈答向きでない、小さなポットのものは比較的安価で手に入る。
冬の窓際に、デスクの上に、華やかなシクラメンをひと鉢いかが?
</object>
YouTube: 布施 明 「シクラメンのかほり」
シクラメンのかほり/布施明
この記事作成にあたって聞いてみた。
大ヒットした有名な曲にも関わらず、まったく覚えのない曲だった。
うちのお母ん、演歌とフォークソングしか聞きよらんかったからかなあ。
※ ガーデニングシクラメン,ミニシクラメンとも。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます