はぐれ雲

毎日世界のどこかや身の回りで起きることを自分のことばで書いていきます。かなり過激な場合もありますがいつも本音です。

紫式部

2020-09-16 09:42:14 | 日記
仕事帰り、つるべおとしの秋の暮れ。
宵闇が回り込む前に谷中まで、
30分近く歩いて寄り道。
日暮里駅と急ぐ夕焼け段々。
駅までにはいくつかの小路を通って帰る。
その裏角に現れた「紫式部」の色の着物姿ににすいと心が行った。
たおやかな古代紫をまとった女性がふいと姿を見せて
この小路へと誘ったのかと思う。javascript:void(0)

ここは6月には驟雨で紫式部という植物がが露をまとっている。
この植物には「紫式部」という名しかあてはまらない。
それくらい古典的だけど鮮やかな源氏物語の世界なんだ~

女性は紫式部の咲いていた角を曲がってひゅいと見えなくなった。
たおやかでほっそりとした後ろ姿。

こんなこんな夕暮れは 忙しいけど忙しくない。
日常を離れたような幻想的な偶然の出会いは。


星野富弘さんの詩を思い出す。


二番目に言いたいことしか
 人には言えない
 一番言いたいことが   言えないもどかしさに
 耐えられないから
 絵を書くのかもしれない
うたをうたうのかもしれない

それが言えるような気がして
 人が恋しいのかもしれない