重薬
降る雨に洗はれて咲く重薬の総苞片の眩しかりけり 丹人 ふるあめに あらはれてさく じう...
春雪の下
疲れ取れぬ身をひきづりて外に出れば元気溌剌春雪の下 丹人 つかれとれぬ みをひきづりて...
小薔薇
イースターイエローといふミニ薔薇の眼に溢る雫なりけり 丹人 いーすたー いえろーといふ...
白詰草
そのかみの故郷の野辺に首飾り編みて遊びし日を思ふ花 丹人 そのかみの こきょうののべに...
文目
文の目に過ぎ行く風のやさしくて掌に乗せそふと握らん 丹人 あやのめに すぎゆくかぜの ...
庭石菖
六枚の花弁に灯す初夏の光涼しき庭石菖かな 丹人 ろくまいの かべんにともす はつなつの...
何子草
白銀の父子黄金の母子なり真赤な色はさて何子かな 丹人 しろがねの ちちここがねの はは...
紅薔薇
遠足の子等雨上がる庭に出でて広ぐ昼餉に見入る紅薔薇 丹人 えんそくの こらあめあがる ...
濃紫花<二>
俯きて咲くオダマキの花見れば紫頭巾をおもひぬるかな 丹人 うつむきて さくおだまきの ...
濃紫花<一>
初夏の風紫を運びきて庵の花を染めてゆくかな 丹人 はつなつの かぜむらさきを はこびき...