神宮参拝は外宮から内宮なるが古来よりのならはしといふも
御木曳行事を見たき心の逸れば
先に内宮へと向かへる
五十鈴川に架かる浦田橋を渡りておはらい町通りに入れば
行き来する人にあふれたる
昼餉いまだ摂らざる予なれば伊勢うどんをいただかむとて
中井屋の暖簾をくぐりぬ
午後一時三十分のことなり
真白くして太くやはらかきうどんを
艶深きタレにかきまぜて口に入れれば
その味 甘辛くして香りなつかしく 素にして高き味とこそおもへれ
をを いとむまし
店を出れば雲の切れて強き日差し射してゐたり
人垣の中を流れに従ひて歩き行けば 大鳥居の前に出でぬ
大鳥居にて静かに頭を下げれば
宇治橋に一歩足を踏み出だしたる
宇治橋にかかる涼気の真一文字 奮太
宇治橋より五十鈴川を見下ろせば
二軒茶屋奉曳団による奉曳のおこなはれゐたり
式年遷宮御木曳(おきひき)行事は
旧神領の住民が二箇月にわたりて御用材を内宮外宮に曳き入れたる
盛大なる行事なるときけり
昨年の第一次に続きて第二次の御木曳行事とふ
涼しき水音とともに勇壮なる掛け声と木遣音頭の響くも
いとゆかし
炎天の五十鈴の川の木遣り歌 奮太
先に御木曳を終へたる宇治奉曳団の方々と共に
齢永くして緑濃き樹木の茂りたる参道を進み行けば
四重の御垣に囲まれたる御正殿にたどり着けり
天照坐皇大御神のこの地にご鎮座されて二千年の時が流れたるとふ
嗚呼 悠久なる時の流れの重みの
いま静かに我が身を覆ひけり
拝礼すれば 大自然なる神のもたらしたる浄けさに心打たれたり
御正宮の左に位置する古殿地より振り返れば
西寶殿の屋根 金色の光放ちたり
唯一神明造にして弥生時代にまで遡る高床式穀倉の姿を
今に伝へたる御形ときけり いと尊し
あらまほし神の御前にすすみ出で打つ柏手の音の確かさ 丹人
参拝を終へて宇治橋に歩み行けば
参集殿前にて二軒茶屋奉曳団の川より上がりたる御用材を引き行くを見る
この日 宇治奉曳団及び二軒茶屋奉曳団による奉曳のおこなはれたり
宇治奉曳団は是 宇治の四町の奉曳団なりて総勢二千人ときけり
二軒茶屋は外宮領山田を流るる勢田川の水運の拠点の町なり
陸曳地区にありて唯一川曳もおこなふ特権を持つとふ
紫の上衣に豆絞りの鉢巻きにて見事なる奉曳なり
目に涼し香りもゆかし御用材 奮太
大鳥居にて再び頭を深く垂れれば
心新たにして もと来たる道を帰り行きたり
おはらい町赤福本店の隣に五十鈴川茶屋あり
この店 切妻妻入り本格子の出窓を持つ重厚な造りなり
暖簾をくぐれば 漆黒の柱 床に光あるもよし
座敷へ上がりて枯山水の庭の奥に五十鈴川の流れを眺めつつ
簾なる夏の菓子にて茶を一服頂戴すれば心癒されいくとなん覚へる
店を後にして再び浦田橋を渡りて五十鈴公園に戻るは
午後三時十五分となりぬ
健自偉殿の伊勢参り
画像一:内宮大鳥居より神域を仰ぐ
画像二:宇治橋より御用材の「川曳」を見る
画像三:古殿地拝所より正宮を拝す
画像四:参集殿前を引かれ行く御用材
画像五:五十鈴茶屋の抹茶と和菓子「簾」 2007.7.22 撮影
↑現在50位前後なり↑現在茨城3位なり
毎日一打頂戴すれば有難きかな 宜敷願上奉候
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