八月一日は我が母の命日なり 平成十三年網膜下出血により突然にして逝けり 七十三歳なりき 死の数日前 我母に訊けり 人生の悲嬉は何なりしかと この問ひ愚問なりき 我の言うべきは感謝の言葉でなかりしか ふりかへりてただ悔い恥ずるばかりなり これまでの悲しきことを問ふわれにたらちねの母ほほえみをりき そのかみに母が植えたる薔薇の花 匂ひてすがし八朔の朝