銀色のドーナツ雲は銀色のスプーン雲の掌の中 丹人
ぎんいろの どーなつぐもは ぎんいろの すぷーんぐもの てのひらのなか
八月二十八日午後五時二十分頃のことなり
銀山温泉の散策道をぐるりと周りてゆきて
ふと空を見上げれば
なんとも不思議なる形したる雲の
ぽっかりと空に浮かびたる
まるでドーナツのやふな
むまさふなる雲を
スプーンの形したる雲の
上よりドーナツを掴まふと
しているやふに見へるは
いとをかし
いままで見たることなき雲なれば
しばし眺めていたり
五分もすれば
ドーナツの形くずれゆきて
スプーンが中にとけてゆきたるは
いとあはれなり
なんとも
不思議なる
雲とこそおもへれ
せせらぎの音色やさしき銀山の川辺の宿の夕灯りかな 丹人
せせらぎの ねいろやさしき ぎんざんの かわべのやどの ゆうあかりかな
吾が他に人一人なき早朝の銀山温泉を独り占めする 丹人
わがほかに ひとひとりなき そうちょうの ぎんざんおんせんを ひとりじめする
銀山温泉
画像上:2010.8.28 17:24 銀山荘近くの路上にて
画像中:2010.8.28 20:52 銀山温泉街にて
画像下:2010.8.29 06:05 銀山温泉街にて