夏に取りしホオズキの萼 庵の口に飾り来たり けふ 外し見れば朱色そのままにして葉脈美しく浮き出でてをれり 庵内の行灯に挿してみれば その朱 その脈 光を帯びて いとうつくし ホオズキに漢字を当てれば「鬼燈」といへども 鬼には見えず 赤き顔して脈浮き出で 角もちたるがゆゑ かような名を当てしか しばし 行灯の鬼燈にて秋の夜長を楽しまんとぞおぼゆる