<光源氏>
寝られ給はぬままに
我は かく 人に憎まれてもならはぬを 今宵なむ はじめて憂しと
世を思ひ知りぬれば はずかしくて ながらふまじくこそ思ひなりぬれ
など のたまへば 涙さへこぼして臥したり
空蝉の身をかへてける木の下に猶人がらのなつかしきかな
<空蝉>
女も なみなみならず かたはらいたし と思ふに 御消息も絶へてなし
思し懲りにける と思ふにも やがて つれなくて止み給ひなましかば
憂からまし しひて いとほしき御振舞の 絶へざらむも うたてあるべし
よき程にて かくて閉ぢめてむ と思ふものから ただならずながめがちなり
空蝉の羽におく露の木がくれてしのびしのびに濡るる袖かな
空蝉 -あらすじ-
今までこんなに人に嫌われたことはなく
今夜ばかりはほんとうに生きていることもいやになってしまった・・・
源氏は小君(空蝉の弟)に心を打ち明けます
空蝉も源氏を拒みつつも これでよいと思う一方で
このまま忘れられてしまうのはあまりにも悲しく
複雑な気持ちをいだいていました
源氏は空蝉をあきらることができず
小君に手引きさせて 再度紀伊守の別邸に出向いたのでした
家の中を覗くと 二人の女が碁を打っています
空蝉とその継娘(軒端の荻)です
行儀正しくかしこまった場と違って
女だけの普段の姿に
源氏はひどく興味をそそられます
その夜 皆が寝静まるのを待って
源氏は空蝉の閨に忍び込みます
空蝉はあの日以来
あの夜のことが忘れられず眠れない夜を過ごしていました
となりには碁の相手をした継娘が寝入っています
ふと衣擦れの音とともに ききおぼえのある源氏の香りがただよい
暗い中に近寄ってくる人影を感じました
空蝉はとっさに単衣一枚をはおり
薄衣を残して静かに逃れ去ります
源氏は一人寝ている女を空蝉と思って近づきますが
どうも大柄で雰囲気がちがいます
すぐに人違いと気づきますが
ここで逃げるわけにはいきません
目をさましてびっくりしている娘に向かって
「かねてからあなたに思いをかけてたびたび来ていたのです」と
嘘をついて言い寄りました
娘は空蝉と間違えられたとも気づかず
そのまま源氏のなすがままになります
逃げられても 空蝉への思いを深くするばかりの源氏は
せめてもの形見にと空蝉の残していった薄衣を持って帰ります
そして手紙を小君に託します
空蝉は小君を叱りながらも その手紙を見て
もし自分が伊予介の妻という身でなかったらと
思い乱れます
一方 継娘の軒端の荻は
源氏のたよりがいつ来るかと心待ちにしていますが
届くはずもなく・・・
影を慕いて (古賀政男 昭和六年)
まぼろしの影を慕いて雨に日に月にやるせぬ我が想い
つつめば燃ゆる胸の火に身は焦がれつつしのび泣く
わびしさよせめて傷心のなぐさめにギターをとりて爪びけば
どこまで時雨ゆく秋ぞトレモロ淋し身は悲し
君故に永き人生を霜枯れて永遠に春見ぬ我がさだめ
永ろうべきか空蝉の儚なき影よ我が恋よ
*画像上:夕暮れの空 2007. 2.17 下野国芳賀町にて
*画像下:野田庭の花 2007. 2.13 小美玉市にて
↑6位なり↑50代2位茨城1位なり↑短歌1位なり
引き続きご支援のほど宜敷御願申上候 頓首再拝
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あかひと
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tomo
げんえい
ヒデピョ~ン。。
トニー
阿武蜂虎蔵
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