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まづ居丈の高く
を背長に見えたまふに
さればよと胸つぶれぬ
うちつぎて
あなかたはと見ゆるものは
鼻なりけり
ふと目ぞとまる
普賢菩薩の乗物とおぼゆ
あさましう高うのびらかに
先の方すこし垂りて色づきたること
ことのほかにうたてあり
色は雪はづかしく白うて さ青に
額つきこよなうはれたるに
なほ下がちなる面やうは
おほかたおどろおどろしう長きなるべし
痩せたまへること
いとほしげにさらぼひて
肩のほどなどは
いたげなるまで衣の上まで見ゆ
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なつかしき色ともなしに何にこの末摘花を袖にふれけむ 光源氏
末摘花 -あらすじ-
光源氏は
死に追いやってしまった夕顔のことを
未だに忘れられずにいます
正妻である葵の上とはうまくいかず
深い思いを寄せる藤壷の宮とはままならず
夕顔のあの親しみやすいあどけなさが
またとなく得難いものに思われ
あのような人に再び出会いたいものだと
思う気持ちは高まるばかりで
あちこちに聞き耳を立てていました
あるとき
ある女房から
故常陸宮の忘れ形見の姫君が
琴を相手にひっそりと
すごしていることを耳にします
心ときめかした源氏は
早速女房をそそのかして
ひそかに姫君の琴を聞きに行きますが
そこで頭の中将とはちあわせし
競争心を煽られ
ますます熱をあげていきます
ついに
姫君との対面にこぎつけますが
姫君は世間慣れしていないのか無口なのか
何を言っても応答がありません
初心なのだと自分を納得させながら
源氏は闇のなかで思いをとげます
しばらくして
姫君のところを訪れた源氏は
雪明かりの中で見た姫君の容貌に驚きます
予想以上に不器量で
目立ってたれた鼻の先が
末摘花のように紅なのです
あきれながらも不憫に思った源氏は
姫君の生活の世話をする決心をします
一方
二条院に引き取られた若紫は
日ごとに美しさを増していきます
源氏は若紫と
鼻の赤い女の絵など描いて
遊び興じているのでした
*画像:ユキノシタ 2008. 5.21 7:00 庵庭にて
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芸術9位なり 50代6位茨城1位なり 短歌1位なり
引き続きご支援のほど宜敷御願申上候 頓首 再拝