輝-キンケイギク-
一面の野を黄に染める花ありて名をたづぬれば金鶏菊とふ 雲流れ行くを並びてながめゐる金...
仏-シロツメクサ-
玄葉(クローバ)と名付く真白き詰草に音なく燃ゆるいのち尊し 首飾り編む乙女等を待ちわび...
満つ葉-アカツメクサ-
爪草とおもひきたれる我にあり 詰草にして舶来ときく 船荷箱に詰められ来たる草らしも今...
青-阿字ヶ浦海岸-
阿字ヶ浦の海色青く沖つべに白き灯台白き船見ゆ 麦藁のをさなをのこは砂浜にふくらはぎ輝...
十薬-ドクダミ-
このところ我が身に潜む毒ありて けさ咽頭に鋭き痛み 頭より背を貫ける痛みあるも八重十...
どう紫陽花-アジサイ-
花びらの先ほのあをきあぢさゐは雨のリズムにのりて歌へり そぼ降れる雨にをさなきあぢさ...
赤-ベゴニア-
いままさに開かんとするベゴニアの蕾 光を帯びて輝く 貝のごと開くベゴニア黄金の蘂を護...
入梅-ギボウシ-
梅雨に入ると思はれるとふ報届く夕べ擬宝珠の葉の波打ちぬ 葉脈に沿ひて雫の流れ落ちて擬...
ついり-栗花落-
流れ行く雲に靡ける栗の花 奮太 栗の花落つるを「ついり」と読むとききてしみじみ見入る...
蘇る-戦艦大和-
九十週六百三十日かけて半寿の父がつくれる大和 千九百四十五年四月七日に沈没す大和我が...