Traveling Mood

「北京の休日」より改題しました。
2007年9月~08年02月、北京滞在時の散歩の記録と、その後の雑記など。

11月11日 三峡好人

2007-11-11 23:46:17 | 映画


昨日購入したDVD「三峡好人」(賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督 邦題「長江哀歌」 2006年ベネチア映画祭金獅子賞受賞)を観ました。

「三峡ダム建設」で水没していく町、奉節。
別々に暮らしてきた家族を探す2人の主人公を中心に、解体作業を行う労働者の姿や、長江の風景をドキュメンタリー風に綴っています。

監督のインタビューより。
「100万人もの人々が、ダムの建設によって移転を余儀なくされた。映画という形で、人々の感情や細かなところを映し、庶民の生活がどんな影響を受けたのかを理解し、記憶する」ために(もちろん「社会問題の記録」だけではなく、テーマは人間そのもの)、撮った映画です。

日本の「格差社会」なんて話にならない程の(比べる方向?が違いますが)、様々な人々が暮らす中国。
自分で選んだ生き方、または余儀なく強いられた生き方もあるかもしれませんが(そしてそれは幸せなことかもしれない)、これからの中国の「発展」が、個人の多様性(?)が尊重される方向へ、進んでいくといいなあと思います。日本ではもう望めないことなので。
良い作品に出会ったときにいつも思うこと、自分には何ができるのだろう、としみじみしてしまいます。

途中、烟(Cigarettes)・酒(Liquer)・茶(Tea)・糖(Toffee)という、それぞれ人と人の間をつなぐ道具になっている、4つのキーワードが。
「糖」のところで、「大白兎」が出てくるのですが(あんまり書くと話がわかってしまうので控えます)、ほっこり、せつないです。

↓「大白兎」ってこんな飴です↓


エンターテイメント性(?)はあまりなく、淡々とした映画なので、万人受けではないと思いますが、機会があれば是非。

Bitters End公式HP


ちなみに監督は1970年生まれです。だから?
共感しまくりの監督のインタビューはこちら。
映画の森ベネチア最高賞「長江哀歌」ジャ・ジャンクー監督に聞く