気まぐれに1泊2日の小旅行に出る 目的もなくどこかでボンヤリしようと
寺をいくつか巡った後 珈琲店で酒蔵を改造した映画館がある事を知る
チベット映画『羊飼いと風船』とはそんな 偶然の出会い
物語は、平原で暮らす家族の葛藤を描く 国策で産児数が制限されている
すでに3人の息子がいるヒロインは これ以上子育ての苦労をしたくない
なのに、避妊具不足から 思わぬ妊娠をしてしまう。
中絶を考えても、輪廻転生を信じる肉親の理解は得られない
地平線まで続く草原とはるか彼方にそびえる高峰そして澄み渡った高い空
大自然の中での 平和で豊かな生活を描いたものと軽い気分で観始めたら
なんとも重いテーマ しかも監督は最後の結論は 観覧者各々が考えよと、
投げ捨てる 到底 私が結論を下せはしないのだが
子供たちが無邪気に遊ぶ『風船』は 実は避妊のための『コンドーム』
この辺りにも 監督の意志が働いているのかもしれないが 現状生活に
どっぷりつかり満足しきっている 私にはなにも 思いつかない