自由と孤独の真ん中で

こじらせ中の60歳。
行きたいところへ行き、会いたい人に会う。

ノルウェイの森と不幸な週末

2010年12月12日 | 似顔絵
ある日のこと

放し飼いにしていた雀のチュン助がとうとう帰ってこなくなった

いつものように開け放したドアからお散歩に出て普段ならすぐに帰ってきていたのに

その日は夕方になっても帰ってこず

ついにここに来てから初めての外泊

そして

次の日もまた次の日もそれっきり帰ってこなくなった

何か不測の事態が起きたのだろうか

あんなに店の中にいるのが大好きで、いつもエサ入れの横で水浴びしたり

私の肩に止まって羽の手入れをしたり、パソコンのモニターの上で居眠りしたり

外に出してもすぐに飛んで帰ってきていたのに

近所に探しには行ったものの

雀はあちこちに何羽もいるのに

チュン助だけがいない

いつも聞こえていたチュンのエサをついばむカッカという音がしないのが

哀しくて寂しくてたまらない

最近ではキーボードを叩いているとその手の中に潜りこもうとしていたチュン助。

今は窓の外ばかりが気になってしまう

いつかは別れの時が来るのは分かっていたけど

とうとうその日が来てしまったよ

でも

きっと今もどこかで生きているよね

仲間と遠くに飛んで行ったのならいいけど

どうかどうか

元気でいておくれ

帰ってこなくてもいいから

どこかで元気に飛んでいてくれるだけでいいから

映画「ノルウエイの森」を観ました

20年前に原作を読んだけれどすっかり内容を忘れていた

映画が始まってもまだストーリーを思い出せない

こんなに重い物語だったっけ

重いと感じるのは私だけかもしれないし

きっと観た人の年代や村上春樹のファン度、

その時のコンディションによって感じ方はさまざまだと思うが

私はすごく心にズーンときました 特に後半。

多分、いろんな哀しい出来事が一度に重なって

その精神状態で観たのが大きかったと思われ。。

劇中に松山ケンイチくん扮するワタナベが

「人は哀しみに対してはどうすることもできない。

哀しんで哀しんで、そこから何かを学ぶしかないのだ・・・・

それでも

新しい哀しみがやってきた時、それらは何の役にもたたない」

というようなセリフ(うろ覚えです)があったのが心に響いた

 直子役の菊地凜子ちゃんはさすがやっぱり存在感があるが(似顔絵は凛子さんのつもり)

ミドリ役の水原季子ちゃんが瑞々しくてとっても可愛かった

70年代のファッションもお洒落に着こなしていてキュート

今の若い子が見てももしかして可愛いと感じるかも?

少なくとも80年代のルーズな感じやバブル時代のいかつい肩パットファッションより数倍いい

季子ちゃん扮するミドリは

ちょっと生意気でめんどくさい感じの女の子なんだが

きっと男の子からしたらこういう子猫のような子は魅力的なのかもしれない

 そして

松山ケンイチくんはやっぱりイイ!

ワタナベの持つ苦悩と葛藤、

二人の女の子の間を揺れ動く心がすごくよく伝わってきた

またケンイチくんの喋り方や持ってる雰囲気がいいんだよね

しかし

現代に比べ、

この時代の19、20歳のなんと大人びて老成していることか!


この映画、

登場人物もすべて日本人で時代背景も確かに70年代の日本なんだけど
どこか異国の物語のような不思議な感じもした

 最後のエンドロールが流れて

普通なら帰る人が多いのに、みんなビートルズの曲に聞き入っていて

席を立つ人があんまりいなかった

私も最後ライトがつくまでじっと座ってました

余韻が残るよい映画だと思いました

コメント
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