(unfairとは)
一時期、貿易関係の報道で「不公正貿易」云々(「ウンヌン」です。「デンデン」ではありません。)ということが言われたことがあります。
元の言葉は unfair trading です。
貿易なのですから売ったものには代金を支払い、代金を支払って品物を買っているのですから代金の不払いや粗悪な物を引き渡さない限り「不公正」などと非難される理由は無いはずです。
貿易とはいえ結局は商品取引なのですから。
しかし、二国間、多国間の間ではそう簡単に割り切れるものではないようです。
また、そもそも商品取引自体、実は買い手がいなければ成り立たない仕組みであることは誰でもわかることです。
一方的な輸出によって輸出国が極端に黒字になれば、長期的に眺めれば赤字国は財力を弱め、結局、上記黒字国から物を買えなくなってしまい、この黒字国も在庫ばかりが山となり不景気となるでしょう。
つまり健全な貿易関係、国内でいえば健全な商品流通と貨幣の流通が無ければ経済は破綻するのです。
したがって、このような流通を阻害するような、いわば「一人勝ち」のような貿易関係になった場合、これが unfair trading と呼ばれるのですね。
つまり「あんたの商売の仕方は汚いよ」って感じですか。
実感としてお分かりいただけましたか。
justice とか正義とか言ってもそんなに難しいものではありません。
そしてこういう概念を法の中に取り込むことで弱者や社会で割を食っている人を救済できる法の仕組ができて行くのですね。
これを別の文字列で表すとrule of lawとか rule of justice となります。
justice が政治と統治の原理として現れると rule of law となり、法哲学の原理として現れると rule of justice となると考えると分かりやすいかもしれません。
もっとも、現実社会でこれが実現している国は無いでしょう。
だからjusticeが声高に主張されるのです。
(つづく)
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