ネバダで大地震発生。しかしそれはカリフォルニア一帯を襲う巨大群発地震の前触れに過ぎなかった。故障したヘリを輸送中レスキュー隊員のレイ(ドウェイン・ジョンソン)は、地震にまきこまれた家族を救うべく被災地へ向かうのだが…
とにかくこの映画、ディザスター描写が物凄い。映画冒頭で地質学者が東北大震災を題材に講義しているのだが、間違いなく参考にしていると思われるシーンがいくつも登場する。
サンアンドレアス断層に添ってできた地割はまさにグランドキャニオン。ドミノ倒し状態の高層ビルでは、突然開いた壁の穴から人間が空中に放り出される。落下物の下敷きになる人続出で阿鼻叫喚の嵐の中、火砕流なみの爆風が車もろとも吹き飛ばす。揺れがやっとおさまったと思いきや、今度は大津波が押し寄せるのだ。
こんなディザスター・シーンてんこ盛りの本作だが、緩急の付方が上手いのか見終わった後にグッタリなんてこともない。“みんなを助ける海猿”と違って、あくまでも別居中の奥さんと愛娘救出に絞ったシナリオはいかにも個人主義のアメリカらしい展開だ。
ついでに注目したいのが、主人公レイの娘役を演じている富士額とエメラルド・グリーンの瞳がキュートなアレクサンドラ・ダダリオちゃん。オッパイ星人ならずとも、地面が縦揺れする度にボヨヨンと揺れる超弩級バストにどうしても目がいってしまうことだろう。
東北大震災級の地震がもし米国で起きたとしても、数年後にはこのような映画がハリウッドでまた作られるに違いない。デリカシーのなさを指摘する方も多いだろうが、ここはむしろアメリカ人の強いエフィカシー(自己肯定感)を見習うべきだろう。
自然災害が起きるとなぜか自責の念にかられて、一億総自粛ムードに包まれてしまう日本人。震災から6年、(死者を弔うためにも)今まで目をそむけ続けてきた311を正面から見据えた映画を、そろそろ日本人自身の手によって作ってもいい時期だと思うのだがどうだろう。
カリフォルニア・ダウン
監督 ブラッド・ペイトン(2015年)
[オススメ度 ]