私は、勤めを定年退職した後、1ヘクタール程の田んぼで米作りをしております。米作りは毎年同じ時期に同じ作業を行うので、作業を通して肌で季節を実感しているように思われます。そうした作業を綴ることによって、読者の皆さんにも季節感を味わっていただくとともに、米作り(私にとっては趣味の一つのようなものですが)の現場の雰囲気も少しは感じていただけると思い、「四季のたより」の中で「稲作日記」を掲載いたします。
今回は、田んぼに出て最初の作業となる「田起こし」(耕起)の記事です。なお、「田起し」をするまでには、田んぼのゴミ・石拾い、水路の片付け・溝さらいなどほか、クロ突き(畦畔の補修、これは人に頼んでトラクターに付けた機械でやってもらいます)など、しなければならないことが結構あります。
しばらく晴れの日が続いて田んぼが乾いてきた5月3日、4日に「田起し」を行いました。その作業を順繰りに見ていただきたいと思います。
かなり年代もののトラクターで父親の時代から使っているものです。妻に、「周りで作業しているトラクターを見たら全部キャビン付きだ」と言ったら、「米作りは金にならないから、うちはこれで十分」と言われました。
まずは隅を起こすため、トラクターを畦畔(クロ、畦)の際ぎりぎりのところに寄せます。
少し耕して中断(「枕打ち」)します。
こうしておくことで、最後に外周(2回まわる)をスムーズに耕すことができます。なお、耕して土が黒くなった右隣も耕した跡になっていますが、これは昨年稲刈りした後に「秋起し」をしたものです。
そして、次の隅に移動します。
こちらも「枕打ち」をしました。
その横にも少しだけ起したところが見えますが、これはトラクターを向こう向きにして前車輪を畦畔に着けて起した跡です。外回り2回分の幅と、この後、その幅を残してこちらから耕していく際に、ロータリー(回転する爪)を降ろす位置の目印にするものです。
畦畔は、「クロ突き」してもらったので、法面が新しい土で黒くなっております。これで水漏れを防ぐことができます。
外周で2回分の幅を残して向こうから耕してきました。こちらの隅も「枕打ち」し、後は、春真っ盛りの「西山」に時々目をやりながら、順繰りに田んぼを往復します。
(「田起しー2」に続く)
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