日展(乃木坂)の帰り 日比谷で下車
丸の内の「仲通り」を闊歩し
東京駅を右に 皇居を左に 大手町をまっつぐ
「神田まつや」まで
紅葉の街路樹と彫刻を眺め 30分ほど歩きます。
ここから歩くこと30分
蕎麦前について語るなら、こちら『神田まつや』
種ものの具をアテに、江戸の庶民の粋な楽しみだった「蕎麦前」
明治17年創業の老舗にして、庶民的ながらも粋さは今も変わらず
あの「池波正太郎」がひいきにして通ったということで
わたしも同じ気分になろうと、通い続けています。
ちなみに池波氏は、“ 蕎麦前なくして 蕎麦屋なし ”なる名言を残しています。
そもそも「蕎麦前」の由来は、江戸時代にさかのぼります。
今の東京と比べると、広さも人口も1/10くらいで、3600軒ほどもあったといいます。
当時は食事は朝夕の2食、蕎麦はその中間食としてよく食べられていました。
昔は、火力もないので、蕎麦が茹だるにも少し時間がかかります。
それを待つ間にお酒を1~2合飲んで、出来上がった蕎麦をささっと手繰って帰る。
そんなスタイルが定着したのがいわゆる蕎麦前でした。
読んで字のごとく、蕎麦を食す前に、それを待ちつつ蕎麦屋で一杯という文化がうまれました。
で、次に気になるのはアテです。まつやのアテは
【天ぬき(天吸い)2000円ぐらい】メニューには書いてません。
天ぷら蕎麦から、蕎麦が抜かれてるから天ぬき。
プリプリの海老天が2本。
辛汁と甘汁を2番ダシで伸ばした、ほどよい濃さのつゆがからまります。
【燗酒と蕎麦味噌 770円】
味噌を砂糖やみりんと合わせ甘みを加え、煎った蕎麦の実が練り合わされています。
舐めるようにちびちびしながら、熱燗をやるのがよろしく。
【そばがき 1210円】
そばがきは蕎麦粉をお湯で練った食べものです。
蕎麦湯の中に木の葉型に成形されて浮く昔ながらの「湯溜め」スタイルです。
【わさびかまぼこ 770円】
板付きのかまぼことわさびだから、いわゆる「板わさ」です。
かまぼこは小田原は『鈴廣』のもので食感もよく、わさびは赤軸の本わさびで鮮烈です。
【焼きのり 550円】
本来〈花巻〉に使われれる蕎麦屋の海苔は、口溶けのよいのが上等とされます。
わさび醤油で。他のアテ(湯葉わさび770円)や(ウニ770円)などを包んでもいけます。
※花巻とは?(ちぎってかけそばの上に載せ、蓋を掛け、海苔がトロトロに解けて香りが出たところで蓋を外して、麺に絡めていただきます。)
【蕎麦屋の焼き鳥 935円】
蕎麦つゆのかえしにみりんを少し混ぜたタレで焼くのが蕎麦屋流です。
柔らかくも弾力のある食感、香りよく適度な甘辛さは酒にぴったりあいます。
【御新香 440円】
迷ったらこちら、きゅうりの・大根・ごぼうのぬかに沢庵漬と柴漬け、よき漬かり具合です。
【今日のオーダー】は
キリンの小瓶660円・お新香440円・燗酒770円
もり770円で〆て お勘定は2640円
また足が向いた『神田まつや』
さらしねぎにチョイと汁つけて口直し。
今日もいい風情でありますね。
季節の御品は、暖かいなめこそばとなめこせいろ
歩いた距離は9572歩、2時すぎでも満杯です。
名店老舗蕎麦リスト
・浅草 並木蕎麦◎
・神田 かんだやぶそば◎
・神田 かんだまつや◎
・別所 蕎麦処 美田村◎
・多賀 多賀蕎麦◎
・虎ノ門 大阪屋 砂場〇
・上野 藪蕎麦◎
・荻窪 本村庵◎
・池之端 連玉庵〇
・麻布 総本家 更科堀井◎
・麻布 麻布永坂 更科本店◎
・麻布 総本家 永坂更科 布屋太兵衛◎
・根津 鷹匠〇
・品川 しながわ翁〇
・森町 笊蕎麦 百々や〇
・西日暮里 蕎麦吉里 童心舎〇
・浅草 丹想庵 健次郎〇
・向島 すずめの御宿◎
・上野 翁庵〇
・三ノ輪 砂場〇
・浅草 おざわ◎
・町屋 うじいえ◎
・池之端 藪そば(閉)
・虎ノ門 巴町蕎麦(閉)
・湯島 手打古式蕎麦(閉)
・北千住 たかはし(閉)