現在ではWebで見る地図が自宅においては最も便利で、出先でもスマホで確認が可能。出先で車移動するときにはナビがある、という状況が一般的。仕事や観光で未知の町に行くときでも、Googleで経路検索をして利用する交通手段を選ぶことができる。紙の地図の出番はあるのか、それは一覧性、2つ以上の情報参照などによる全体感把握。本書では、デジタル、アナログを問わず、地図を読むための感覚を研ぎ澄ますための情報を集めている。
本書で言う「地図感覚」とは、
1.距離感をつかむ
2.道路や周辺環境より街の新旧を想像する
3.主要施設の分布から街の発展過程、集客力を想像する
そのために最初に、航空写真、地形図、昭文社地図とGoogleMap、Yahoo!地図、マピオン地図など様々な地図の特性に馴染むことを推奨する。そのうえで、身近な場所の大きさを地図で見る、地図上の大きさと距離の体感を近づける、道路模様から地形と密度を想像する、新しい道と旧道を比較する、地図模様から生活感と歴史を想像する、などを提案する。
こうした訓練の後に、都市の発展と成長、年齢を読み解く、街のにぎわいを決める人口、地形、集散を想像する、街の中心地の移動の過去、現在、未来を想像してみることを実践している。
地図も変化している。ゼンリン地図では徹底的な現地調査で新築ビルと道路の関係やデジタルとの結合を強みとし、昭文社地図では高度成長時以降のちずの変遷を見ることができる。日本において都市発展は高度成長とともに進み、街の変遷も実際に起きてきた。アナログ地図ではDTPの採用と実際のアナログ地図は変化している。使用目的と方法により利用する地図を選ぶことが重要。
本書内容は以上。