その果てを知らず 眉村卓 ***
2019年に亡くなった眉村卓の絶筆エッセイ。病と老いから入院を繰り返し、亡くなるに至るまで書き続けた文章をまとめた一冊。役者で言えば「舞台の上で死にたい」、サラリーマンだと周りに迷...
コンジュジ(cônjuge) 木崎光子 ***
せれなが9歳のとき、母は家を出ていった。あまり生活力のない父親と二人で生きることになった小学生のせれなを心配してくれたのは父の姉、つまり伯母だった。母のいない寂しさと、変わり者の父...
ペストの記憶 ダニエル・デフォー ****
「ロビンソン・クルーソー」の作者が1722年に記録として書いた、1665年にロンドンで猖獗を極めたペスト禍について書き残したもの。当時の欧州では人口の三分の一の死者が出たと言われる...
商店街のジャンクション 村木美涼 ***
どの町にもある商店街、最近では寂れてしまってシャッター通りになってしまうという所も多いが、その町で暮らし成長した人たちにとっては思い出が詰まった場所でもある。そんな商店街の一つが舞...
擬傷の鳥はつかまらない 荻堂顕 ****
犯罪や家出などで自分の過去を消したい、新たな世界で生きたいという人間に、新たな戸籍や証明書を提供し、逃がす女性、沢渡幸(さち)が主人公。「雨乳母」と呼ばれるその商売、幸にも消し去り...
飲酒と不整脈(カテーテル・アブレーション後日談)
カテーテル・アブレーション手術を受けてから4年が経過したので、その後の経過について備忘録...
メイド・イン京都 藤岡陽子 ****
学生時代の自分の夢の実現を古都京都でチャレンジしてみるという女性の物語。主人公は美咲、美術大学を卒業後、自分には美術での成功は無理と考え、小さな会社に勤めていたが、32歳で4歳年下...
日本古代史を科学する 中田力 *****
こういう古代史書が読みたかった、と言える内容で、日本古代史を中国・朝鮮の歴史、DNA分析、縄文弥生時代の列島地理、古代文化分析など多面的解析を行っている。筆者は臨床医であり複雑系脳...