安保法制10年 学者の会がシンポ
日本を「戦争できる国」へと転換させた安保法制の強行から今年で10年となる中、「安全保障関連法に反対する学者の会」は5日、第10回オンラインシンポジウム「平和・憲法・暮らしの危機の新段階」を開催しました。
シンポに先立ち、広渡清吾・東京大学名誉教授が、日本学術会議の法人化をめぐる緊迫した情勢を特別報告。「政府から独立した科学者組織が政府の都合のいい組織にされることは、日本の民主主義にとって深刻だ」と述べ、広く問題を国民に伝えていこうと呼びかけました。
シンポでは5氏が報告。青井未帆・学習院大学教授は、「内閣におまかせ」で日米の軍事一体化が図られている状況は、明治憲法下での「統帥権の独立」と「相似形」にあるのではないかと問題提起。畠山澄子・ピースボート共同代表は、日本被団協のノーベル平和賞受賞の意義や、核兵器禁止条約を成立させた国際連帯や被爆者の運動の力について語りました。中野晃一・上智大学教授は「安保関連法成立後の政党政治」をテーマに発言。米国の経済・安全保障政策への日本の統合が進むことの危険を指摘しました。
大沢真理・東京大学名誉教授は、安倍晋三政権による社会保障政策がその後の自公政権に引き継がれ、貧困を拡大していることをデータで示し、告発しました。上野千鶴子・東京大学名誉教授は、介護保険が制度改悪の「黒歴史」だったと述べるとともに、たたかいが改悪を押しとどめていることも力説。7月の参院選で介護保険を争点にすることを訴えました。
討論では、市民や世代間の連帯の重要性などをめぐり意見が交わされました。佐藤学・東京大学名誉教授と高山佳奈子・京都大学教授が司会をつとめました。
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