高齢者の生活実態をシリーズでルポする「軍拡でなく、暮らせる年金を」の企画で、来年金婚式を迎える大阪市に住む廣上(ひろかみ)信吉さん(78)と廣上珠江さん(72)夫婦を取材しました。
阪急電鉄本社で組合活動を続けた信吉さんいわく「定年まで昇格差別を受けた貧乏暮らし。文句一つ言わなかったこの人のおかげです」。感謝の言葉を口にすると「あんたが長生きしてくれないと困る。一人になると年金では生きていけないの」と返しました。
珠江さんは専業主婦で月額約4万円という“暮らせない”低年金です。二人三脚で育ててきた4人の子どもが独立。「老後は退職金と企業年金があるから大丈夫」だと思ってきました。
ところが、8年前、信吉さんが70歳のとき白血病になり1年間入院します。抗がん剤治療で80キロあった体重が40キロ台に激減。生死をさまよう信吉さんを毎日見舞い・激励した珠江さんは、国の年金制度のあり方に疑問を持ちました。
受け取る年金がマクロ経済スライドで減額されるのはおかしいと訴えた裁判の原告として2021年、“普通の主婦”として大阪高裁で意見陳述しました。「女性の低年金は本人に責任はない。女性だけの結婚退職強要、賃金・昇格の差別など社会的女性差別構造に原因がある」。
年金者組合大阪府本部の街頭宣伝に毎回参加する珠江さんの思いは、熱い。「現役世代とスクラム組み物価高騰を上回る年金額引き上げの実現を。日本を支える高齢者を大事にしない自公政治を終わらせる時です」
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