総務財務委員会の視察で花巻市に行かせていただきました。
視察テーマは「市民協働」
私としては、議員になる前に市民協働推進員もさせていただいたり、
関心・優先度の高いテーマなので、個人的な感想を書き留めたいと思います。
もと農水省職員から花巻市職員になられ、
現在コミュニティアドバイザーの役重眞喜子さんが、
ちょうど「ガバナンス6月号」で特集されたり、
他の媒体でも役重さんをお見掛けすることが続いて、
とっても注目していたところだったので、
お伺いするのを、とても楽しみにしていました。
そして、花巻市といえば、宮沢賢治!!!
いつか行ってみたいと思いながら、三原から東北はやはり遠くて、
なかなか「行こう」「行く」には至っていませんでした。
なので、とっても嬉しい初!花巻市!!
着いてみると、やはり宮沢賢治さんの存在は大きく、
まちのあちこちに、賢治ワールドが感じられるモチーフやデザインがあり、
なんだかワクワクする感じ
だけど、押し寄せる高齢化と人口減少の波。
花巻市の人口は、平成12年のピーク107,174人から現在までの減少率は9%
三原市の場合はピークが昭和60年で、花巻市より早く減り始めており、ピークからの減少率は12%。
合計特殊出生率は、花巻市1.42に対して、三原市1.60
出生数では、昭和60年からの減少率が、花巻市44%減に対して、三原市37%減。
現在の人口が9万8千人くらい
普通会計の規模が480億くらい
平成の大合併で、1市3町での合併
市内に空港、新幹線停車駅、高速道
などなど、三原市と条件がよく似ているのです。
注目していた花巻市の市民協働スタイルである「コミュニティ会議」
事の始まりは、平成19年。1市3町が合併してできた花巻市に、それまでなかった40代という若い市長が就任されたことから始まった。選挙公約の1丁目1番地として掲げられた「小さな市役所構想」―――花巻市内を、小学校区や地区公民館の区域を基本とする地域に分け、そこに住む住民が、より身近な地域単位で自らのまちづくりを進めようとする構想(緑字部分は花巻市様資料より引用)
任意の町内会・自治会による地域運営から、より地域住民の声を反映するため、市町村の事務を担う「地域協議会」制度による地域運営への移行は、全国各地で見られるものの、すでに取り組まれている自治体での賛否は様々きいている。今現在の町内会・自治会の運営でも、担い手不足や、役員の負荷、しんどさがあるのは明らかで、三原市としても、これまでの「市民協働推進」の議論の中で検討はされながらも、「地域協議会制」に向けた確たる方向性を持つには至っていない。
けれども、特に中山間地域などのある自治体では、市内全域一律のやり方ではなく、小さなモジュール的な地域組織を強化していく・・・という方向性を目指すべきじゃないかという思いがあって、個人的に調査研究しています。
以前、お話を伺った松阪市の場合は、制度導入にあたって、地域ごとに温度差があり、いつまでに全地域で設置するという期限を明言された上で、当時の市長ご自身がずいぶん各地域へ足を運んで理解を求めたときいている。
花巻市の場合は、導入にあたって賛否は確かにあったものの、地域として「うちは無理」みたいなことはなかったとのこと。むしろ、市長が選挙公約として掲げた「小さな市役所構想」に対する支持があったようである。
そうは言っても、じゃあ具体的に何がどう変わるのか・・については、実際にスタートするまで分からなかったようだが、理解・共感を得られたポイントとしては、道路の路面整備、ガードレール、カーブミラー、側溝のフタ、外灯など、なかなか地域要望が通らない、時間がかかるハード面の課題が、この10年でずいぶんニーズを満たすことができた点にある模様。27地域を対象とした地域づくり交付金総額2億円のうち、平成26年度で約半分の額をハード整備が占めている。
27地域への交付額は、均等割、世帯割、面積割で算出され、加えて、宅地の割合などの係数もあるとのこと。
こうした取り組みのキーパーソンは、地区公民館の館長、役所職員OB、教員OBなど。そして、やはり、冒頭に書いた役重眞喜子さんの存在も大きいようである。廊下での立ち話でのことだが、役重さんが言っておられる「自治体職員は地域住民のセーフティネットであれ」みたいなことが、職員みなさんのメンタリティとしてあるのかどうか伺ってみると、それは大きく影響しています!とのことだった。
花巻市さんは、合併前からの課題――人口減少、高齢化、ニーズの多様化など――に、「コミュニティ会議」などを通じて、合併直後から取り組んでこられた。職員数が多かった時に、各コミュニティ会議(当時は26地域)に職員を2人ずつ配置、現在は職員数スリム化(H18の995人からH26の887人へ約11%マイナス)で、コミュニティ会議配置職員は「引き上げ」ている。平成の大合併からちょうど10年という自治体が多いけれど、これらの課題にしっかり取り組んできたところと、先送りしてきた自治体との差が、明らかになってきているような気がする。
「コミュニティ会議を10年やってきて、ハード整備がだいたいできてきた。これからはコミュニティの本丸であるソフトに取り組みます!」と、10年目にあたる今年は、1年かけて全体での見直しが行われる。役重さんや、大学の先生方にも協力いただきながら、ファシリテーター養成もしておられるとのこと。
「個人的な感想ですが・・」と前置きして、「地域づくりのNPOが花巻にはないんです、NPOなどの形で人材が育っていくと良いのですが」ともおっしゃっていました。
そうそう。海士町には「巡りの環」、神山町には「グリーンバレー」、江津の「てごねっと石見」、雲南の「おっちラボ」みたいな(^^)!私も必要性を感じてます!まちづくりNPO!まちづくり・地域づくりの調査やワークショップ委託して、県外の企業に1千万とか、もったいなさすぎーーー!!!このお金を市内で投資して、(市外にも稼ぎに行ける)人材と組織を育てることが急務だと思っております。
ハード面で、各地域の公共施設のことなど、教えていただきたいことは諸々あったのですが、委員会での視察なので欲張らず、コミュニティ会議の立ち上げの時と現在と、それぞれの課題にしぼって質問させていただきました。今月末には、都内での立地適正化計画の勉強会で、花巻市建設部さんから「高齢者・大人」と「若者・子ども」が生活圏を共有する「まち」と題したお話を伺える予定なので、楽しみにしています。
記事などを読むと、だいたい良いことが書いてあって
「すごいなぁ!」と感心することが多いですが、
今回、リアルに切実な雰囲気を伺えたことがとても良かったです。
花巻市様に、今後とも注目していきたいと思います!
今年は、宮沢賢治生誕120年!
駅前のお土産屋さんのおばちゃんとも色々おしゃべりしました~
店内の大きな観覧車がすごーい!と思って、写真を撮って良いか訊いたら、
「若い人ががんばって作ってるから、いっぱい撮ってー、どんどん載せてー」とのこと。
(花巻弁だったけど、再現できず。。。方言手拭いを買って帰りました
<メモ>
花巻市と三原市は、普通会計の規模が440~480億円と同じくらい。
震災復興特別交付税の違いもあるし(H26年で24.7億)比較がよく分からないけれど、
基準財政需要額で15%、標準財政規模で8%、花巻市のほうが大きいんだけど、
人件費はほぼ同じで、扶助費は93%、公債費は74%と三原より小さく、
義務的経費が歳出総額に占める割合が44.5%(三原市は50%超えている)。
投資的経費は、三原市と比較して78%と小さい。
財政運営のことも調べたいのであるが、ちょっと追いついておりません
視察テーマは「市民協働」
私としては、議員になる前に市民協働推進員もさせていただいたり、
関心・優先度の高いテーマなので、個人的な感想を書き留めたいと思います。
もと農水省職員から花巻市職員になられ、
現在コミュニティアドバイザーの役重眞喜子さんが、
ちょうど「ガバナンス6月号」で特集されたり、
他の媒体でも役重さんをお見掛けすることが続いて、
とっても注目していたところだったので、
お伺いするのを、とても楽しみにしていました。
そして、花巻市といえば、宮沢賢治!!!
いつか行ってみたいと思いながら、三原から東北はやはり遠くて、
なかなか「行こう」「行く」には至っていませんでした。
なので、とっても嬉しい初!花巻市!!
着いてみると、やはり宮沢賢治さんの存在は大きく、
まちのあちこちに、賢治ワールドが感じられるモチーフやデザインがあり、
なんだかワクワクする感じ
だけど、押し寄せる高齢化と人口減少の波。
花巻市の人口は、平成12年のピーク107,174人から現在までの減少率は9%
三原市の場合はピークが昭和60年で、花巻市より早く減り始めており、ピークからの減少率は12%。
合計特殊出生率は、花巻市1.42に対して、三原市1.60
出生数では、昭和60年からの減少率が、花巻市44%減に対して、三原市37%減。
現在の人口が9万8千人くらい
普通会計の規模が480億くらい
平成の大合併で、1市3町での合併
市内に空港、新幹線停車駅、高速道
などなど、三原市と条件がよく似ているのです。
注目していた花巻市の市民協働スタイルである「コミュニティ会議」
事の始まりは、平成19年。1市3町が合併してできた花巻市に、それまでなかった40代という若い市長が就任されたことから始まった。選挙公約の1丁目1番地として掲げられた「小さな市役所構想」―――花巻市内を、小学校区や地区公民館の区域を基本とする地域に分け、そこに住む住民が、より身近な地域単位で自らのまちづくりを進めようとする構想(緑字部分は花巻市様資料より引用)
任意の町内会・自治会による地域運営から、より地域住民の声を反映するため、市町村の事務を担う「地域協議会」制度による地域運営への移行は、全国各地で見られるものの、すでに取り組まれている自治体での賛否は様々きいている。今現在の町内会・自治会の運営でも、担い手不足や、役員の負荷、しんどさがあるのは明らかで、三原市としても、これまでの「市民協働推進」の議論の中で検討はされながらも、「地域協議会制」に向けた確たる方向性を持つには至っていない。
けれども、特に中山間地域などのある自治体では、市内全域一律のやり方ではなく、小さなモジュール的な地域組織を強化していく・・・という方向性を目指すべきじゃないかという思いがあって、個人的に調査研究しています。
以前、お話を伺った松阪市の場合は、制度導入にあたって、地域ごとに温度差があり、いつまでに全地域で設置するという期限を明言された上で、当時の市長ご自身がずいぶん各地域へ足を運んで理解を求めたときいている。
花巻市の場合は、導入にあたって賛否は確かにあったものの、地域として「うちは無理」みたいなことはなかったとのこと。むしろ、市長が選挙公約として掲げた「小さな市役所構想」に対する支持があったようである。
そうは言っても、じゃあ具体的に何がどう変わるのか・・については、実際にスタートするまで分からなかったようだが、理解・共感を得られたポイントとしては、道路の路面整備、ガードレール、カーブミラー、側溝のフタ、外灯など、なかなか地域要望が通らない、時間がかかるハード面の課題が、この10年でずいぶんニーズを満たすことができた点にある模様。27地域を対象とした地域づくり交付金総額2億円のうち、平成26年度で約半分の額をハード整備が占めている。
27地域への交付額は、均等割、世帯割、面積割で算出され、加えて、宅地の割合などの係数もあるとのこと。
こうした取り組みのキーパーソンは、地区公民館の館長、役所職員OB、教員OBなど。そして、やはり、冒頭に書いた役重眞喜子さんの存在も大きいようである。廊下での立ち話でのことだが、役重さんが言っておられる「自治体職員は地域住民のセーフティネットであれ」みたいなことが、職員みなさんのメンタリティとしてあるのかどうか伺ってみると、それは大きく影響しています!とのことだった。
花巻市さんは、合併前からの課題――人口減少、高齢化、ニーズの多様化など――に、「コミュニティ会議」などを通じて、合併直後から取り組んでこられた。職員数が多かった時に、各コミュニティ会議(当時は26地域)に職員を2人ずつ配置、現在は職員数スリム化(H18の995人からH26の887人へ約11%マイナス)で、コミュニティ会議配置職員は「引き上げ」ている。平成の大合併からちょうど10年という自治体が多いけれど、これらの課題にしっかり取り組んできたところと、先送りしてきた自治体との差が、明らかになってきているような気がする。
「コミュニティ会議を10年やってきて、ハード整備がだいたいできてきた。これからはコミュニティの本丸であるソフトに取り組みます!」と、10年目にあたる今年は、1年かけて全体での見直しが行われる。役重さんや、大学の先生方にも協力いただきながら、ファシリテーター養成もしておられるとのこと。
「個人的な感想ですが・・」と前置きして、「地域づくりのNPOが花巻にはないんです、NPOなどの形で人材が育っていくと良いのですが」ともおっしゃっていました。
そうそう。海士町には「巡りの環」、神山町には「グリーンバレー」、江津の「てごねっと石見」、雲南の「おっちラボ」みたいな(^^)!私も必要性を感じてます!まちづくりNPO!まちづくり・地域づくりの調査やワークショップ委託して、県外の企業に1千万とか、もったいなさすぎーーー!!!このお金を市内で投資して、(市外にも稼ぎに行ける)人材と組織を育てることが急務だと思っております。
ハード面で、各地域の公共施設のことなど、教えていただきたいことは諸々あったのですが、委員会での視察なので欲張らず、コミュニティ会議の立ち上げの時と現在と、それぞれの課題にしぼって質問させていただきました。今月末には、都内での立地適正化計画の勉強会で、花巻市建設部さんから「高齢者・大人」と「若者・子ども」が生活圏を共有する「まち」と題したお話を伺える予定なので、楽しみにしています。
記事などを読むと、だいたい良いことが書いてあって
「すごいなぁ!」と感心することが多いですが、
今回、リアルに切実な雰囲気を伺えたことがとても良かったです。
花巻市様に、今後とも注目していきたいと思います!
今年は、宮沢賢治生誕120年!
駅前のお土産屋さんのおばちゃんとも色々おしゃべりしました~
店内の大きな観覧車がすごーい!と思って、写真を撮って良いか訊いたら、
「若い人ががんばって作ってるから、いっぱい撮ってー、どんどん載せてー」とのこと。
(花巻弁だったけど、再現できず。。。方言手拭いを買って帰りました
<メモ>
花巻市と三原市は、普通会計の規模が440~480億円と同じくらい。
震災復興特別交付税の違いもあるし(H26年で24.7億)比較がよく分からないけれど、
基準財政需要額で15%、標準財政規模で8%、花巻市のほうが大きいんだけど、
人件費はほぼ同じで、扶助費は93%、公債費は74%と三原より小さく、
義務的経費が歳出総額に占める割合が44.5%(三原市は50%超えている)。
投資的経費は、三原市と比較して78%と小さい。
財政運営のことも調べたいのであるが、ちょっと追いついておりません
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