6月議会の一般質問で取り上げた
産廃の最終処分場。
本郷に新たに建設予定のものです。
豪雨災害で、みんな大変な中・・・
ではありますが、
こちらも、すでに設置許可申請が出されていて、
進んでいってしまう「待ったなし」の状況であることから、
15日、竹原、三原から集まり話し合いをしました。
8月1日発行の「議会だより」に載せる原稿から、
「これまでの経緯」を転載します。
ーーーーー
平成25年10月に、民間事業者から広島県東部厚生環境事務所に事前協議書が提出された。
計画地は本郷町南方で,排水は三原市、竹原市へ流出することから,平成25年12月に本郷町南方の日名内地区と尾原地区,竹原市新庄町の一部が、この処分場の関係地域に指定された。
平成27年12月に県と市が地元に対し,法令や県の要項などについて説明を行い,平成28年3月に事業者が本郷地域関係者へ事業説明会を行った。同年4月,本郷町内会会長連合会などから広島県に対し異議申し立て書が提出された。
その後,地元協議や説明会で出された意見・質問に対する回答がないまま,今年4月に事業者が設置許可申請書を県に提出し、受理された。
現在,書類審査が行われており、内容が調えば,関係市で1カ月間縦覧される。
ーーーーー
というのが、これまでの経緯。
県が受理してから160日で結論を出すことになっており。
概ね9月末というところか。
1.立地の問題
場所は、本郷のサテライト山陽場外車券売場のあたり。
この山からは、
三原の沼田川、
竹原の賀茂川へと、
水が流れていく。
賀茂川のほうは、
水源地のすぐ上で、
非常に重要な場所だ。
現状の人間の経済活動に伴い、
どこかに作らなくてはいけないとしても、
ふさわしい場所とは言えないだろう。
また、立地区画は、
土砂流出防備保安林と隣接している。
この度の西日本豪雨災害でも、
多くの土砂崩れが起きており、
森林保全の重要性は増すばかり。
保安林隣接地を
処分場として良いのかどうか、
大きな不安を覚えるところだ。
2.「安定型最終処分場」の問題
建設予定の処分場は
「安定型最終処分場」とされる。
処分場の種類は3種類
A.安定型
B.遮断型
C.管理型
「安定型」は、
絶対に腐敗したり有害物質が溶け出したりすることがない、
性質が安定した廃棄物5品目を処分するための施設
そのため、
施設自体が他の2種に比べて、
簡易で、建設コストが安い。
しかし、
「性質が安定した廃棄物」以外の混入により、
各地で問題を引き起こしてきているのが
「安定型最終処分場」だ。
日本弁護士連合会は、
2007年8月に
「安定型産業廃棄物最終処分場が今後新規に許可されないよう求める意見書」
を出している。
https://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2007/070823_5.html
主なポイントは、
・そもそも5品目が安定しているとは言えないこと
・5品目以外のものが付着して搬入されることは避けがたいこと
・素堀の穴であるため、有害物が混入、発生した場合、防ぐことができないこと
から、
「安定型処分場を認めたのでは環境汚染を防止することができない」
としている。
環境省は、
「地域によっては、安定型最終処分場の浸透水の異常やガスの発生など生活環境保全上の支障を生じる事例が発生しているほか、地域住民との紛争に至っている事例もある」(緑字部分引用)ことから、
安定型最終処分場の調査、
自治体へのヒアリングを行っている。
http://www.env.go.jp/recycle/report/h28-11.pdf
現場を持つ自治体からは、
・「周辺環境への適切な配慮」を具体的に明示すべき
・地元同意の取得を義務付けるべき
・異常が発生した場合の生活環境保全のための措置を許可申請段階で明らかにすべき
・遮水工や浸透水等集排水設備の設置を義務付けるべき
・埋立終了後の法面勾配について具体的な規定を設けるべき(崩落の危険があっても改善指導できない)
など、現行法の不備による多くの問題点を指摘する声が挙げられている。
3.信頼性の問題
安定型最終処分場では、
5品目以外の混入をどう防ぐかなど、
運用面における事業者の信頼性が問われる。
冒頭の経緯で示したように、
「地元協議や説明会で出された意見・質問に対する回答がないまま,今年4月に事業者が設置許可申請書を県に提出」したことは、
信頼を欠く行為であり、
今後の動向に不安を感じている。
現行の廃棄物処理法では、
処分場の設置許可に地元の同意は絶対条件ではない。
しかしながら、
「広島県の産業廃棄物処理施設の設置に係る地元調整に関する要綱」が定められており、
地元説明を行い、調整するよう、
指導が行われている最中での
寝耳に水の許可申請である。
4.時間軸の問題
安定型最終処分場が引き起こしている問題は、
建設から20年以上経過して起きている例が少なくない。
栗東市の場合、昭和55年の建設で、平成11年に硫化水素ガスが発生、
平成34年までの対策で81億円の事業費見込み。
松山市の場合、昭和61年運用開始で、平成23年廃棄物の陥没が発生し灰濁水が流出、
平成32年までの対策で77億円の事業費見込み。
選択するのは、今現在の私達だが、
その影響を受ける可能性は、将来世代になる。
* * *
気象災害が多発する近年。
大自然は、
ちっぽけな人間の活動など取るに足らないものとして、
許容してきてくれた。
しかし、今や、
人間の活動は、ちっぽけなものではなくなり、
大規模な自然破壊を各地で繰り返してきた結果、
自然の許容量を超え、
問題が顕在化するようになっている。
自然界の声を、
どう受け止め、
どう判断するか、
最終処分場の問題も、
それを突き付けているように思う。
沼田川の上流に位置し、
保安林に隣接する最終処分場建設の問題・・・
みなさんは、どうお考えになるだろうか。
産廃の最終処分場。
本郷に新たに建設予定のものです。
豪雨災害で、みんな大変な中・・・
ではありますが、
こちらも、すでに設置許可申請が出されていて、
進んでいってしまう「待ったなし」の状況であることから、
15日、竹原、三原から集まり話し合いをしました。
8月1日発行の「議会だより」に載せる原稿から、
「これまでの経緯」を転載します。
ーーーーー
平成25年10月に、民間事業者から広島県東部厚生環境事務所に事前協議書が提出された。
計画地は本郷町南方で,排水は三原市、竹原市へ流出することから,平成25年12月に本郷町南方の日名内地区と尾原地区,竹原市新庄町の一部が、この処分場の関係地域に指定された。
平成27年12月に県と市が地元に対し,法令や県の要項などについて説明を行い,平成28年3月に事業者が本郷地域関係者へ事業説明会を行った。同年4月,本郷町内会会長連合会などから広島県に対し異議申し立て書が提出された。
その後,地元協議や説明会で出された意見・質問に対する回答がないまま,今年4月に事業者が設置許可申請書を県に提出し、受理された。
現在,書類審査が行われており、内容が調えば,関係市で1カ月間縦覧される。
ーーーーー
というのが、これまでの経緯。
県が受理してから160日で結論を出すことになっており。
概ね9月末というところか。
1.立地の問題
場所は、本郷のサテライト山陽場外車券売場のあたり。
この山からは、
三原の沼田川、
竹原の賀茂川へと、
水が流れていく。
賀茂川のほうは、
水源地のすぐ上で、
非常に重要な場所だ。
現状の人間の経済活動に伴い、
どこかに作らなくてはいけないとしても、
ふさわしい場所とは言えないだろう。
また、立地区画は、
土砂流出防備保安林と隣接している。
この度の西日本豪雨災害でも、
多くの土砂崩れが起きており、
森林保全の重要性は増すばかり。
保安林隣接地を
処分場として良いのかどうか、
大きな不安を覚えるところだ。
2.「安定型最終処分場」の問題
建設予定の処分場は
「安定型最終処分場」とされる。
処分場の種類は3種類
A.安定型
B.遮断型
C.管理型
「安定型」は、
絶対に腐敗したり有害物質が溶け出したりすることがない、
性質が安定した廃棄物5品目を処分するための施設
そのため、
施設自体が他の2種に比べて、
簡易で、建設コストが安い。
しかし、
「性質が安定した廃棄物」以外の混入により、
各地で問題を引き起こしてきているのが
「安定型最終処分場」だ。
日本弁護士連合会は、
2007年8月に
「安定型産業廃棄物最終処分場が今後新規に許可されないよう求める意見書」
を出している。
https://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2007/070823_5.html
主なポイントは、
・そもそも5品目が安定しているとは言えないこと
・5品目以外のものが付着して搬入されることは避けがたいこと
・素堀の穴であるため、有害物が混入、発生した場合、防ぐことができないこと
から、
「安定型処分場を認めたのでは環境汚染を防止することができない」
としている。
環境省は、
「地域によっては、安定型最終処分場の浸透水の異常やガスの発生など生活環境保全上の支障を生じる事例が発生しているほか、地域住民との紛争に至っている事例もある」(緑字部分引用)ことから、
安定型最終処分場の調査、
自治体へのヒアリングを行っている。
http://www.env.go.jp/recycle/report/h28-11.pdf
現場を持つ自治体からは、
・「周辺環境への適切な配慮」を具体的に明示すべき
・地元同意の取得を義務付けるべき
・異常が発生した場合の生活環境保全のための措置を許可申請段階で明らかにすべき
・遮水工や浸透水等集排水設備の設置を義務付けるべき
・埋立終了後の法面勾配について具体的な規定を設けるべき(崩落の危険があっても改善指導できない)
など、現行法の不備による多くの問題点を指摘する声が挙げられている。
3.信頼性の問題
安定型最終処分場では、
5品目以外の混入をどう防ぐかなど、
運用面における事業者の信頼性が問われる。
冒頭の経緯で示したように、
「地元協議や説明会で出された意見・質問に対する回答がないまま,今年4月に事業者が設置許可申請書を県に提出」したことは、
信頼を欠く行為であり、
今後の動向に不安を感じている。
現行の廃棄物処理法では、
処分場の設置許可に地元の同意は絶対条件ではない。
しかしながら、
「広島県の産業廃棄物処理施設の設置に係る地元調整に関する要綱」が定められており、
地元説明を行い、調整するよう、
指導が行われている最中での
寝耳に水の許可申請である。
4.時間軸の問題
安定型最終処分場が引き起こしている問題は、
建設から20年以上経過して起きている例が少なくない。
栗東市の場合、昭和55年の建設で、平成11年に硫化水素ガスが発生、
平成34年までの対策で81億円の事業費見込み。
松山市の場合、昭和61年運用開始で、平成23年廃棄物の陥没が発生し灰濁水が流出、
平成32年までの対策で77億円の事業費見込み。
選択するのは、今現在の私達だが、
その影響を受ける可能性は、将来世代になる。
* * *
気象災害が多発する近年。
大自然は、
ちっぽけな人間の活動など取るに足らないものとして、
許容してきてくれた。
しかし、今や、
人間の活動は、ちっぽけなものではなくなり、
大規模な自然破壊を各地で繰り返してきた結果、
自然の許容量を超え、
問題が顕在化するようになっている。
自然界の声を、
どう受け止め、
どう判断するか、
最終処分場の問題も、
それを突き付けているように思う。
沼田川の上流に位置し、
保安林に隣接する最終処分場建設の問題・・・
みなさんは、どうお考えになるだろうか。
沼田川がきれいになった!。。手放しで喜ぶ人もいますが、産廃としての処理はまだ終わっていないと聞いています。
それらを受け入れる地元の処分場企業については、どう思われますか?
新築マンション、新築家屋、図書館、学校、人々はこれらを利用するのですが、建築の際には大量の産廃が出ます。道路、線路、トンネル。
本郷最終処分場反対のフェイスブック、フォロワーの人々にとって、真面目に処分場をしている地元の企業も、産廃そのものが嫌悪非難
の対象になっているように見え、恐ろしいです。