数年前に、知った。
ヒモトレ。
古武術研究家の甲野先生の講座で、他の参加者がヒモトレを体験するのを見ていた。
けれども、それから、自分で調べたり、実践したりすることは、なかった。
わたしは、夏には甚平を愛用している。
だからこそ、現代の生活における洋服の機能性や利便性を受け入れる気持ちもある。
けれど、たすき掛けの、心地よさよ。
洋服じゃ、できない。
一人暮らしのとき、部屋着は浴衣だった。
え、うん、もちろん、ナルシストな感じは否定しない。
でも、それだけじゃなかった。
俺は『腰で紐を結びたかった』んだよ。
洋服じゃ、できない。
何言ってんだよって、自分でも思うよ。
だけど、俺は腰で紐を結ぶと、すげぇ落ち着くんだよ。「腰に刀を差したい」っていう意味わかんない欲求も、半分くらい満たされるんだ。
タイパンツを、腰で紐を結べるようにリメイクしたこともあった。
それが心地よくて、腰で紐が結べるように、一から自分でズボンを縫い作ったこともあった。
(今も作ってる)
ヒモトレの説明には、ヘソのあたりで結ぶと書いてある。
わたしは、ヘソのあたりよりも、骨盤のすぐ上で結ぶ方が落ち着くのだ。(男女でヘソの位置が違うらしい)
多くの洋服の、ウエストの位置の紐じゃ、上すぎる。
そう、わたしは知っている。
きっと、紐と相性がいいのかもしれない。
わたしの身体は、紐で落ち着くのだ。
裁縫箱から、ありったけの紐を集めてみた。
改めて。
これからよろしく。
ヒモトレ、この身体で研究する余地、大いにあり。