ヒモトレ。3日目。
タスキ掛けは、とにかく『上半身のバランス』がイイ。
普段から意識する鎖骨と肩甲骨の『骨の位置』はもちろん。
そこに繋がる筋肉のバランスがイイのがわかる。
どこも無理していない感じ。
骨が重さを適切に支えている感じ。
わたしは、書き仕事をすることが多いので、肩が内側で固定されないようなストレッチを意識している。
けれども、肩の位置について『心配』が行き過ぎてしまうと、かえってやや後ろ気味に肩を配置してしまう癖がある。
それが、タスキ掛けで、不思議なくらいに整う。
特に首が楽。
面白いのは、ヒモを外したときだ。
ヒモを外しても、ヒモを結んだ状態をイメージすると、体感が変わる。
さらに、ヒモを結んでいるときにも、身体に結んだヒモをしっかり意識してイメージすると、より実感がわいた。
特に、タスキ掛けした背後の感覚に神経を向ける感じにすると、イイ。
この日、実は。
かなり濃いめのコーヒーをガッツリ2杯飲んじゃってさ。「あぁ~カフェイン摂り過ぎたぜ~」って、ちゃんとわかって。
……案の定、23時くらいまで冴えわたっちゃって。中途覚醒もあったし、変な夢もスゴイ見たし。
だけどね、それにしては、目覚めがよかった。
やっぱり、肩回りの『無理のなさ』『緊張のなさ』が、段違いにイイ。
これが、「バランス感覚」「バランスが取れている状態」なんだろう。
中途覚醒って、そのまま考え事しだしたりして、眠れないことも多いんだけど。
この夜は、そういう不安があまり出てこなかったな。妙な抵抗がなく、すんなりと脱力の姿勢をとれる。というか、ほとんど脱力していたので、改めて脱力する努力が全然いらなかった。
「身体が緊張していない」
↓
「身体感覚に意識を向けやすい(心的抵抗が少ない)」
↓
「脱力した身体を感じる」
↓
「健やかな睡眠への移行」
身体が無理していない状態っていうのは、心も頭も無理していない状態になれるコトなんだろうな。
もちろん、逆も、また然り。
身体へのアプローチは、身体のケアだけで終わらない。
わたし自身を大きな範囲でケアすることになるのだ。
*
ヒモトレ。4日目。
タスキ掛けは、トレーナーの下にして、ヒモが見えないようにしてるよ。
バイトなので、少しちゃんとしたブラトップを着たりする。だが、アンダーの締め付けの、「そこじゃない感」がものすごい。
着替えようかと思ったけど、とりあえず、アンダーの締め付けよりも、タスキ掛けに意識を向けることにする。
そういえば、締め付けないブラを自分で縫って作ったこともあったな。最近は、アンダーのゴムがないブラトップが売っているので、だいたいそれを着ている。
ひとつの仮説。このアンダーの「ここじゃない感」が、呼吸のしづらさに影響していないか。
*
夕方のこと。
腰に巻いたヒモの先が、視界に入った。
「あ、ヒモトレしてるんだった」
その瞬間、意識が落ち着いた。
すると、数か月続いているモヤモヤについて、また変化が起きた。
怒れる、ムカつける。
被害的にならず、怒りを感じられる。
わたしの腰で、ちょうちょ結びの先が、揺れている。
腰に伝わってくるその揺れが、ものすごく心地よい。
怒りに囚われることもなく、感情に溺れそうになることもなく。
ただ立って怒りを感じている自分が心地よい。
新鮮。できるんだ。できるじゃん。
まるで、『怒り』の感覚を育てていくような感じだ。
――
ヒモトレの素朴な感想。
紐を巻くだけなんだから、もっと前から、自分の体感や欲求に素直に、やっていればよかったぜ。