ティフォシモデルカー美術館

1/43フェラーリモデルカーに特化した個人コレクター美術館です
千台以上所蔵の一部、300台程を常設展示しています

フェラーリ Studio CR 25 Prototypo Pininfarina

2021-08-23 | 4シータ,6気筒&特殊モデル(各種レース)

フェラーリ Studio CR 25 Prototypo Pininfarina

(1974)

ピニンファリーナの空力実験車です。

戦前からアプリリア アエロディナミーコなど空力を意識したモデルを生んだピニンファリーナが

1972年に自前のフルスケール風洞を建設し、それを活用して作り上げた空力実験車CR 25です。

74年のトリノショーで発表されました。

車名はCdが0.256であることに由来し、前半分はフェラーリ 365GTC/4やP6に似た雰囲気を持つ

この車は随所に空力上の意欲的なアイテムを装備しています。

バンパーを兼ねたフロントのスポイラーと低いノーズとの位置関係が不思議な緊張感を生んでいます。

4シーター。

フロントバンパーを空力に利用したり、ボディ本体と一体となったリアスポイラーを利用する方式は

デザインの違いはあれ現在の488ピスタと全く同様です。

45年も前に空力を市販車に取り入れようとしていたなんて驚きです。

Cピラーが開くような構造のようです。

フロントエンジンのようです、その他の駆動関連は不明です。


フェラーリ 212 Vignale Street,250MM Coupe Vignale

2021-06-21 | 4シータ,6気筒&特殊モデル(各種レース)

フェラーリ 212 Vignale Street

(1951-1952)

エンジンは1気筒212㏄に拡大され出力も上がった。

エンジン設計はジョアッキーノコロンボ。

レース戦績不明、2シータ。

60°V型12気筒SOHC2V

2,552㏄、165PS,200㎞/h、

FR、5M

 

フェラーリ 250MM Coupe Vignale

(1953) 31台

250は1気筒排気量を示す。

"MM"はミッレミリアの略で、前年までのフェラーリの快進撃を記念して名付けられた。

デビュー戦は1953年ヴィロレーシはモンツァ・グランプリに250MMで出場し、

栄冠を勝ち取っている。

250Sがプロトタイプだったのに対し、250MMはロードカーで、

V12,3.0Lエンジン搭載を前提に新たに開発されたシャシーに、

ピニンファリーナ製(クーペ)もしくはヴィニャーレ製(バルケッタ)のボディが架装された。

このスタイリングが、後に登場する250ファミリーの方向性を決定づけたといっていい。

 

フェラーリの衣装を担当したカロッチェリア。

フェラーリデザインと言えばピニンファリーナが有名ですが、創成期のモデルをみると実に多くの

カロッチェリアがボディを作っている。

アッレマーノ,スタビリメンティファリーナ,ザガート,モット,ギアアイグル,スカリエッティ,フォンタナ,

アボット,ボアーノ,エッレナ,ベルトーネ,ファントゥツィ,ドローゴや代表的なものはツーリング,

ヴィニャーレ,ギヤ,ピニンファリーナの4社である。

熟練した職人が1台1台ボディを手掛けたので全体のモチーフは同じでもディテールなどが異なる。

標準ボディと言う車が無くワンオフスペシャルの集合体と言った方が正しいかもしれない。

ツーリングは新興フェラーリが無事軌道に乗るためにも協力した。

ツーリングボディは細いパイプを溶接した構造をシャーシに溶接し、

そこに手作りのアルミボディパネルを取り付ける、

非常に軽量なスーパーレッジェラ(超軽量)と呼ばれる方式でボディを作った。100台弱を作っている。

ヴィニャーレも似た方法を取りやはりボディパネルはアルミであった。

熟練の職人達は平らなアルミ板を木の切り株の上でハンマーで形を叩き出し、

さらに砂袋の上にパネルを当てて滑らかな表面を叩き作った。

完全に手作りの為、ボディは左右対称でない部分もある。170台程製作した。

ギアのボディは対照的に殆どがスチールボディであり70台程が製作されたと思われる。

ピニンファリーナもアルミやスチールボディを手作りし250台弱を手掛けた。

同社は近代的な設備を一早く導入して、

プレスを使ってボディを製造し生産性や精度を飛躍的に上げた。


フェラーリ 166 Inter Cabriolet Stabilimenti Farina,166 Inter(1949)クーペタイプ。

2021-06-16 | 4シータ,6気筒&特殊モデル(各種レース)

フェラーリ 166 Inter Cabriolet Stabilimenti Farina

(1949) 8台

166は1気筒166㏄。

フェラーリ初の市販ロードカーとして誕生したのがこの166インテル。

シャシーやサスペンション、エンジンは166MMと共用するが、最高出力は90PSと控えめなチューニング

がされていた。

この時代のフェラーリは現在の様なカタログモデルは存在せず、

ランニングシャシー状態で販売された。

その為購入するオーナーは、好みのカロッチェリアにボディの製作を依頼するシステムだった。

その為、同じ166インテルでもスタベリメンティファリーナ、ヴィニャーレ、トゥーリング、

ギア製のボディが存在する。

ですから創世期のフェラーリの車種の分類は非常に難しいのです。(泣)

下は166 Inter(1949)クーペタイプ。

W.B2,620㎜,2+2、

1,995㏄60°V12SOHC2V

NA,90PS,5速MT,FR(縦置き)

950(クーペ900)㎏,150㎞/h


フェラーリ 500 スーパーファースト RHD Ⅱ°シリーズ,410 S.A スーパーアメリカ

2021-06-14 | 4シータ,6気筒&特殊モデル(各種レース)

フェラーリ 500スーパーファースト RHDⅡ°Serie

(1966) 限定37台

400スーパーアメリカの発展型。

完全なる受注生産車でピニンファリーナ製のボディには決まったデザインは存在せず注文するオーナー

の好みに合わせて決められていた。

当時のフェラーリでは最もパワフルで高価なモデルだった。

エンジン設計は410スーパーアメリカはランプレディ系であったが500スーパーファーストは

コロンボ系であった。

フェラーリが作った無数のモデルの中でロールスロイスの様な高級車に一番近い存在が

これら500スーパーファーストであった。

4,962㏄60°V12SOHC2V

NA,360PS,5速MT,FR

 

フェラーリ 410 S.A Supreamerica(スーパーアメリカ シリーズ1

(1956) 10台。

1気筒413㏄に由来。

シャーシが大きくのびのびとしたデザインになっている。

フロントフェンダーにエアアウトレットがある。

当時F1以外では最も強力なフェラーリ。デザインはピニンファリーナ。

4,962㏄60°V12SOHC2V

NA,340PS,4速MT ,FR

1,200㎏,

 

フェラーリ スーパーアメリカとスーパーファーストについて。

各種のスーパーアメリカとスーパーファーストは、

250GTの高級車種として位置付けられた高級限定生産モデルばかりであった。

フェラーリは80~90年代にかけて、やはり限定モデル(288GTO、F40、F50)を生産したが、

レース出場を念頭に置いた高性能を誇示した、

こうしたモデルとは異なりスーパーアメリカとスーパーファーストは豪華にしてゆとりのある走りを

目指した限定モデルであった。

作りの良さは250GTの倍近くの日数をかけて製作された。それほど1台1台丹念に仕上げられた。

これらのモデルはいわば夢の様な豪華なGTで、フェラーリは単にレースに勝てるマシンだけでなく、

熟練した職人達による上質な作りの、

長距離を走破する大型な高級車も作れるメーカーであると主張したといえる。


フェラーリ 365 カリフォルニア,365P Prototipe GA

2021-06-12 | 4シータ,6気筒&特殊モデル(各種レース)

フェラーリ 365 カリフォルニア

(1966) 限定14台

365は1気筒排気量を示す。

オープンモデル。

稀に見る美しいボディで包み、高性能なラグジュアリースポーツカーを作る上での模範を示した。

非常に高価にして、他車を寄せ付けぬオーラを持つこのモデルは、選ばれた少数の顧客にターゲット

を絞っていました。

本格的な折りたたみ式幌が備わっていました。

500スーパーファーストより少なく275NARTスパイダーより多い60年代のフェラーリを代表する

希少なモデルです。

フロントライト脇には格納式の補助ライトが付く。

ドアのサイドインテークはディノ系、308系に引き継がれ現代では488に見られる。

リアフェンダーホイールアーチ上で僅かに上昇線を描き

フェラーリにしては珍しい角張ったテールランプに繋がります。

ミッドからリアデザインにこそ見所があります。ピニンファリーナデザイン。

4,900×1,780×1,330㎜

4390㏄,60°V12SOHC2V、

FR,320PS,5MT,245㎞/h

1,320㎏、前後205/15

 

フェラーリ 365P Prototipe GA

(1966) 2台

フェラーリは1気筒365㏄のプロトタイプ3シータレイアウトを製作した。

“GUIDA CENTRALE”のサブネームが示すようにドライバーシートを中央に、

横やや後方に2座パッセンジャーシートのあるGTとして

特定オーナー向けのスペシャルモデルであった。

このレイアウトを可能にしたのがミッドシップエンジン化であり、

市販化を前提にしたミッドシップカーの習作ともいえる。

このプロジェクトを大いに支持したとされるのが、

レースドライバーでもあったルイジ・キネッティである。

彼の主張によれば、英仏でも、右も左も見え、この運転位置が一番自然と語り、

更に、もう一人この企画を大いに支持したのが、当時のフィアット社長ジャンニ・アニエッリで、

アニエッリはこのクルマを完成前に注文するほど入れ込んでいた。

シャーシは鋼管スペースフレームで、250LMのシャーシをベースに製作されたと考えられる。

テスト走行では250㎞/hを記録、その後高速安定性の為大きめのリアスポイラーが取り付けられた。

この後、206ディノにデザインが受け継がれる。

4390cc,60度V型12

SOHC2V,6基ウェーバー

380PS,5MT