フェラーリ 308 GTB ラリー仕様 (1978-1982)
スクーデリアフェラーリのモータースポーツプログラムは、
1973年からF1だけに絞られています。
しかし、かつてサーキットではなく、泥と砂利にまみれたラリーの
スペシャルステージにフェラーリのマシンが登場したことは
あまり知られていません。
その車両は308 GTB。フェラーリの社内プロジェクトではなかったものの、
マラネッロの許可を得て開発されたモデルです。
1975年に発表された308 GTBは、フェラーリで2番目となるミッドシップ
エンジンレイアウトのV8モデルでした。
当時、レーシングカーのスペシャリストとして名を馳せ、
オンロード仕様のフェラーリをサーキット向けにチューニングしていた
ミケロットは、この車がグループ4ラリーに最適だと感じました。
フェラーリはパドヴァにあるディーラーに剥き出しのシャシーを提供し、
技術者がそれをベースに真のラリーカーを造り上げられるようサポート
していました。
グランドクリアランスが大きくなってサスペンションのトラベル量も
増大したことや、高輝度のラリー用ランプ一式が装備されたことなどから、
素人目にもラリー向けの車両であることが明らかでした。
素晴らしい外観を呈する1台であったと言えます。
グループ4ラリー用Ferrari 308 GTBが初めて走行したのは1978年の
ことでした。
そして同年のタルガフローリオでロベルトリヴィエロが走らせるなど、
いくつかのシェイクダウンテストを経たのち、車両は、ヨーロッパ、
イタリア、そしてフランスのラリー選手権でその高いポテンシャルを
証明しました。
翌年のモンツァラリーでは、ラリーカーの308 GTB Gr4に初勝利を
もたらしています。
その後、この車の最盛期がやって来ます。
1981年には、パリのフェラーリディーラー、シャルルポッツィチームから
知名度の高いツールドフランスオートモービルに参戦して
優勝を果たしました。
1972年のルマン24時間レースでも365 GTB/4を駆って優勝しています。
1982年にもツールドフランスに参戦し、有名なパイオニア仕様のマシンで
再び優勝を収めています。
(フェラーリ、フェラーリマガジンから引用させて頂きました。)