ファンタジーは、子どもたちをワクワクさせるためだけのものじゃない。
哲学を始め科学と想像力と、それらをまとめた上で、読者をこの世からさらうだけの物語として書き上げる力が必要だと思うのです。
盛っていくとか脚色じゃなくて、物事を削って削って本質を剥き出しにして、そこから全く別な素材で"にく"を付けて、前とは違う色を混ぜ込んでいくのかなぁ?
別物のように出来上がったものは、でも、やっぱり核は元のものだから、それが放つものは伝わって来る。
というか、受け取れるように書いてくれる浩さ。
「箱のはなし」:明川哲也
なついたから、別れることは人を悲しませ苦しめる。
でも、遠く届かないと思っていたのに実は。
何もなく、虚しいと思っていたのに実は。
この物語の壮大な美しさに気が付いた時、星が一つ生まれると思います。
ぽつんとこぼれた涙は、その星を映していると思います。
ろうそくの炎がささやく言葉 :勁草書房
それでも三月は、また:講談社