4年前の春、我が家は4世帯へと分散することになりました。
当時大学受験生だった次男くんは、年内に関東へ大学進学が決まり、いち早く東京での住まいも決まっていたので、高校3年の3学期は高校の承諾を得て、自動車学校とアルバイトに明け暮れていました。
引っ越しの荷造りしなさいよ!と言ってものらりくらり。
部屋は相変わらず散らかしっぱなしで、こんな風に小言を言うのもあと僅かかな、、、
と思いきや、感傷に浸る暇もないくらい、私は私で大阪の住まいを決めるために現地に赴いたり、
長男の引っ越し先の準備や各自の荷造りと超バタバタした日々を過ごしていました。
旅立ちまであと数日となった頃、
「引っ越しはお母さん立ち会えないし、手伝いもいないから一人でなんとか対応頑張ってね。一人で大丈夫よね?」
「うん。なんとかなるやろ」
しっかり者の次男くんだから任せられるとはいえ、自分が18歳の時に、知らない土地で初めての1人暮らしを引越しから1人で対応って、なかなかハードルの高いものだった気がします。
「それから、東京に発つ日の見送りのことなんだけど・・・」
「あ、同じ大学に行く友達と一緒やから見送りは大丈夫!」
「あら、そうなん?」
娘のあーちゃんが我が家から旅立つ時は号泣でした。
長男が飛行機に乗って大学受験に行く時ですら、旅立ちを見送る母の気持ちでメソメソしていました。
今生の別れかのような気落ちにさせられてしまう、子供の旅立ち。
次男くんの場合は、「友達と行くから、、」とあっさり見送りを断られ、メソメソの辛さは無いものの、あまりにあっさり過ぎて拍子抜け。
そして迎えた旅立ち当日の朝。
いつものように、家族の中で一番先に家を出る私は、出勤の準備をして次男の部屋を覗く。
飛行機の時間まで余裕があるとみて、まだ夢の中の次男くん。
もう、、、これから別々に生活することになるのに・・・
「次男くん!お母さん仕事行くよ!?ちゃんと起きてね。飛行機遅れないようにするのよ!っていうか、この部屋の散らかり様は何なの?? ペットボトルも捨てなさいって言ったでしょ!!」
最後の最後まで、小言です。
やんわりだった口調も、だんだん怒りモードに変わっていきます。
言いたいことは山ほどあったけれど、仕事に間に合うか間に合わないかギリギリのタイムリミットで、
じゃあね!行くからね!と一方的に言い放って、、、
せめて顔くらいちゃんと見せなさいよっ
悶々としながら出社し、
そろそろ搭乗する頃かな~とオフィスの窓越しから見える空に目を向け、
東京で一人で大丈夫かしら・・・
頑張ってもらうしかないのだけど…
その時、スマホのライン通知が入りました。
おっ!?次男くんの行ってきます挨拶かな?すぐさまラインを開いてみると・・・
高校の部活のママ友から
「沢山の友達が来ていて賑やかでした。次男くんいってらっしゃーい!」
ええええーーーーっ
こりゃ私に見送りに来てほしくないわけだ。。。
でも思いがけず、出発の様子を知ることができ、明るく元気に行ってきます!そんな雰囲気の写真に、
お母さんも頑張れよ!そう励まされている気がして、へこたれている場合じゃないなと。
送られてきた数枚の写真をしみじみと眺め、再び空を見上げると、
先程よりさらに澄みきった鮮やかな青空が広がっていました。
その夜、仕事から帰ってきて、旅立ってしまった次男の部屋に入ってみると、
片づけなさい!と叱った部屋は、すっかり綺麗になっていて、
ベットの上に何やら置いてある。
「お母さんへ」
そこには、アルバイト代で購入したであろう、私宛のプレゼントと小さなメモが。
あの子ったら…
朝叱り飛ばしたのが最後だったのに…
ちゃんとした見送り出来なかったのに…
私の方が全然未熟じゃん。。。
1人また1人と私の元を旅立って行く…
しばらく次男くんの部屋でしんみりしたところで、よし!切り替えて私も頑張るぞ!!
プレゼントされた鞄は、勿体なくて、4年経った今も当時のまま。
今年はお花見のお供に使わせてもらおうかしら。。。
さーくらさいたら一年生♪
ひとりで行けるかな♪
となりにすわる子いい子かな♪
ともだちになれるかな♪
だれでもさいしょは一年生♪
ドキドキするけど、ドーンといけ〜♪
ドッキドキドン一年生♪
ドッキドキドン一年生♪
(ひらけポンキッキ 『ドキドキドン! いちねんせい』より)
この春社会人一年生となる次男くん、
いろんな一年生の皆さん、
ドキドキするけどドーンと行きましょう!