釋超空のうた (もと電子回路技術者による独断的感想)

文系とは無縁の、独断と偏見による感想と連想と迷想!!

及び釋超空のうたとは無縁の無駄話

69.詩『春のことぶれ』

2012-04-05 14:02:23 | 釋超空の短歌
『眠られぬ夜のために』という本がある。私は読んだことはないが、この二つめの詩は『眠られぬ夜のために』と副題をつけてもよいように私は思う。

眠られぬ夜この詩は貴方の肩にも、そっと手をさしのべるかもしれない。
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 歳深き山の
    かそけさ。
   人をりて、まれにもの言ふ
  声きこえつゝ
 
  年暮れて 山あたゝかし。
 をちこちに、
  山 さくらばな
      白く ゆれつゝ

 冬山に来つゝ
  しづけき心なり。
 われひとり 出でゝ
  蹈む
   道の霜

 しみじみと ぬくみを覚ゆ。
           山の窪。
  冬の日 やゝに くだり行く
     いろ
      *
あけ近く
   冴えしづまれる 月の空
  むなしき山に
     こがらし つたふ
          
  かさなりて
   四方(よも)の枯山(からやま) 眠りたり。
  遠山おろし 来る音の
    する

    目の下に
    たゝなはる山 みな
            低し

  天つさ夜風
    響きつゝ  過ぐ

  せど山へ けはひ
    過ぎ行く 人のおと
  湯屋(ゆや)も
  外面(そとも)も
   あかるき月夜(つくよ)
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