釋超空のうた (もと電子回路技術者による独断的感想)

文系とは無縁の、独断と偏見による感想と連想と迷想!!

及び釋超空のうたとは無縁の無駄話

75.『日のくもり・・・』

2012-08-14 08:32:50 | 釋超空の短歌
『日のくもり ゆふべに似たり。
      ひぐらしや 声みじかくて、ふたたび鳴かず』
***
先日、うちの猫が虫をつかまえてきて、もてあそんでいた。

ときどき、朝、虫の死骸が畳の上に転がっているのを見ることがある。
この猫の仕業であるが、固くなったその小さな死骸を屑籠に捨てるとき、
『いのち』ということを私はふと思ったりする。

もてあそばされた、その虫は未だモゾモゾと動いていた。
私はその虫を捕まえて窓から放り投げたのだが、あいにく雨樋の中に落ちてしまった。
庭の草むらに落ちていたら、少しの間は落ち葉の露で命を繋いだかも知れない。
***
ひぐらしを聞かなくなって、もう何十年たつだろう。
夏の夕暮れに鳴く、あの淋しげな声は今でも耳の奥に残っている。