『草あぢさゐの 花過ぎ行き方のくさむらに向きゐる我が目 昏(くら)くなりゆく』
***
私の家の玄関から少し離れた所に鉄製の小さな門がある。
その門の傍に紫陽花が植わっている。
どうしたわけか、その紫陽花に小さな花が一つ忘れられたかのように咲いている。
私は朝いつも散歩に出かけるとき、その小さな花を見るともなく見ている。
寒い朝が続いているためもあるのだろう、その花は枯れ花へと変色を加速している。
数日後には、小さな枯れ花と化し、その紫陽花にぽつんと残こされるだろう。
その紫陽花の向こうには、しおれかけた雑草がだらしなく続いている。
今年は私の体調の不良もあって毎年行っていた雑草刈は思うように出来なかった。
私の散歩の歩数も以前より、めっきり少なくなってしまった。
寂し気に枯れていくその小さな花が、私の歩数の衰えを象徴しているように思えてならない。
***
『雑草の群立(むら)だつなかに 粉となりて散り花を熟々(つくづく)は見ず』
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私の家の玄関から少し離れた所に鉄製の小さな門がある。
その門の傍に紫陽花が植わっている。
どうしたわけか、その紫陽花に小さな花が一つ忘れられたかのように咲いている。
私は朝いつも散歩に出かけるとき、その小さな花を見るともなく見ている。
寒い朝が続いているためもあるのだろう、その花は枯れ花へと変色を加速している。
数日後には、小さな枯れ花と化し、その紫陽花にぽつんと残こされるだろう。
その紫陽花の向こうには、しおれかけた雑草がだらしなく続いている。
今年は私の体調の不良もあって毎年行っていた雑草刈は思うように出来なかった。
私の散歩の歩数も以前より、めっきり少なくなってしまった。
寂し気に枯れていくその小さな花が、私の歩数の衰えを象徴しているように思えてならない。
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『雑草の群立(むら)だつなかに 粉となりて散り花を熟々(つくづく)は見ず』