釋超空のうた (もと電子回路技術者による独断的感想)

文系とは無縁の、独断と偏見による感想と連想と迷想!!

及び釋超空のうたとは無縁の無駄話

雑談:『雛』(芥川龍之介)

2013-03-26 07:44:24 | 非文系的雑談
今から20年以上も前になるが、PC-VANのBOOKS SIGに私は芥川龍之介の小説について盛んに書き込みをしていた。そんな、ある日、新参加者が現れた。

HNは忘れたが若い女性らしかった。彼女は芥川龍之介の『雛』が好きだと書き込んでいた。 私はその短篇を読んでいなかったので早速読んだものだ。

もう、あれから20年過ぎた。
『雛』についての当時の私や彼女の感想については忘れてしまった。

今日、芥川龍之介の何か短篇を読もうと全集をパラパラめくっていたら、たまたま『雛』が目についた。

私は上記の女性のことを思い出し、『雛』を再読した。
今やストーリーは完全に忘れていたが、面白く読んだ。

少女の心理描写の旨さは私は太宰治が筆頭だと思っているが、芥川龍之介の心理描写は、少女に限らず、これまた実に面白い。彼独特の美学が背景にあるからだ。

私はこの『雛』を読み終わって、PC-VANのかの女性は現在はどうしているんだろうと思いやった。

ネットでのプロヒールはアテにはならないのは今も当時も変わらない。
当時の彼女の実際は実は若くはなかったのかも知れない。
もしかしたら相当の年配者だったのかも知れない。
いや男性だったのかも知れない。

しかし今回久しぶりに『雛』を読んでみて思った。
PC-VANのかの人は、やはり若かい女性だったに違いない、と。

雑談:神の論理

2013-03-24 14:51:40 | 非文系的雑談
孫引きだが『神狩り』(山田正紀著)というSFに面白いことが書いてあるそうだ。

『全ての複合論理命題は∨(OR)と¬(否定)で構成できる』

ことは、このテの話に興味ある人なら誰でも知ってるだろうが、実は一つの論理のみで,∨(OR)も¬(否定も表現できるそうだ。仮に此の論理記号を | と表して、その真理値表で以下のように定義する。

A B A|B
0 0 1
0 1 0
1 0 0
1 1 0

試してみれば分かるが、なるほど∨(OR)も¬(否定)も | で表現できてしまう。
ということは、

『全ての複合論理命題は | という一つの論理で構成できる』

ことになる。この | は「神の論理」と著者は言ってるそうである。

暇な人は試してみるとよい。『はじめての現代数学』(瀬山士郎著)という本の、ゲーデルの話の終わりのほうで著者が確認している。

82 『雨のゝちに、雪ふりにけり・・・』

2013-03-24 10:07:04 | 釋超空の短歌
『雨のゝちに、雪ふりにけり。雪のうへに 沓(くつ)あとつくる我は ひとりを』
***
我が忸怩たる人生を振り返って見れば、雪はなくとも、とぼとぼとした我が足跡が見える。

これから往く先のほうを見れば、我が足跡は当然見えない。

が、見えるような気もする。あいかわらず、とぼとぼと、頼りなく、寂しげに続いている。
寂しげに ? なにが寂しいのだ ?  寂しさを寂しがるという甘えか。

そう思うと、振り返って見える沓(くつ)あとも結局は甘えの跡だったらしい。
それが忸怩たる所以なんだろう。

これから往く先のほうを見れば・・・何処で其の足跡は消えるのだろうか。
今それが気になるようにも思えるし、気にならないようにも思える。
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わが こころ きずつけずあれ ・・・

81 『いと寒き冬に・・・』

2013-03-17 16:15:58 | 釋超空の短歌
『いと寒き冬に 入りゆくしづけさを思ひてゐるは、さびしきものを』
***

遠い夢から醒めたような気がする。

停車場の小さな待合部屋のベンチに座っている。

前にもベンチがあって何人かが座って俯(うつむ)いている。

昼だか夜だか分からないが電灯は点いているらしい。

周(あたり)はなんだか罔(くら)い。

『みなさん、もう出発しますよ』

**年**月**日。

ああ、今日だったんですね。

80 『つくづくと町をくだれり・・・』

2013-03-08 15:06:39 | 釋超空の短歌
『つくづくと 町をくだれり。 朝闇の舗道の上の 白き紙屑』

***

まだ明けきらぬ朝
自分でも理由の分からぬ懐かしみを感じつつ
わたしは或る町を歩いていた

夢をみていたのだろうか、その町が何処なのか分からない
誰にも会わないし  聞こえるのは私の靴音だけ

とすると、ゆったりとした下り坂にきた
坂は ずっと向こうまで一直線にみえた

そのとき
わたしの心に、ふと、白い紙きれが舞っていた

そして

その紙きれは、わたしの心から出て
路の遠くへと飛びさり 消えていつた