涼を着る 2005-06-17 | 砂時計 梅雨独特のじめっとした蒸し暑い一日だった。 交差点で信号待ちをしていると、前に和服姿の女性が立っている。 白い紗の着物に、藍色の保多織りの帯を貝の口にしゃらりと結んでいる。 艶やかな黒髪をさりげなくアップにして、日傘をさしている。 着物の袂から見える腕は透き通るように白く、静脈が浮き出て見える。 目を射る様な夏の陽射しの中、その人は輝いている。 周りをとりまく、粘りつくような湿気が、そこの部分だけ . . . 本文を読む