ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

一周生(いっしゅうき)2

2015-10-31 | 砂時計
今まで、よほど何かがない限り夫のいない夜はなかった。 私以外誰もいない家の中、寂寥感や不安に押しつぶされそうになる。 当然食欲などわくはずもなく。 一日走り回り、疲れ切っているはずなのに頭はパンパンになっていて眠気も襲ってこない。 これから、どうしよう。 まずは、自営である夫の仕事先を片付けることから入らねばならないだろう。 まるっきり夫の仕事に関してはノータッチできた私である。 何をどうした . . . 本文を読む

一周生(いっしゅうき)1

2015-10-26 | 砂時計
夫が倒れてから一年が経った。 いつも通りの日曜の朝。 前日飲み過ぎて、お風呂を見送った夫は、朝起きるとすぐにシャワーに出向く。 廊下を歩く足取りが、なんだかおぼつかなく思えた。 「大丈夫?」と声をかけると 「だいじょうぶ、大丈夫。」 そして、お風呂に入るなり、がらがらがっしゃーん、と派手な音が聞こえた。 飛んでいくと、風呂場でしりもちをついている。 「どないしたん?大丈夫なん?」 意識はあるの . . . 本文を読む