頼んだぜ。

校門をくぐると、さわやか系男子と清楚でかわいい系女子の二人連れに出会う。
いいねぇ。。いかにも青春してる、っていう感じ。
息子の教室がある３階にあがると、面談をまつ生徒があちこちで自習している。
ほぉ、受験生はこうでなくっちゃね。と感心しつつ教室へ向かう。
トップバッターではあるが、早く着いてしまったのでしばらく待つ羽目にあう。
だいたい、高校にもなって何を面談するというのであろうか。
受験するのは子どもであるし、親が先生と熱く語り合うようなことは何もない。
第一、公立学校の先生というのは、大学受験のスキルをなにも持ってはいない。
自校の校内模試の偏差値を手元に置いて、これくらいならばここ、というのを繰り返し説きはするものの、具体的な受験指導というのは何もないのだ。
ならば、子どもを相手にハッパをかけるだけで十分だろう、と考えるのは私くらいのものなのか。

だが、実際のところ我が息子の成績は低迷を極め、お呼びじゃない、というところのものなので先生に対して偉そうに言うわけにもいかず、おとなしくはい、はい、と聞いていた。
当のご本人は、相変わらずどこ吹く風で聞いている。
あのねぇ、アンタのことなんですけど！！

終わるやいなや、口にしたのは明日のお昼の相談。
懇談会週で早くおわるので、大のお気に入りであるうどん屋さんに行きたいから、おばちゃんに電話して、エビ天を取り置きしておいてくれ、というのだ。
ムカーッ
アンタの頭には食べることしかないんですかい！

この天ぷらが売りのうどん屋さんは、小学生の頃からちょくちょく行ってた店で、おばちゃんとは顔なじみ。
高校へ入ってからは、短縮授業のときには必ず寄っている。
おばちゃんも心得たもので、そういうときには息子のために一番人気のエビ天を取り置いてくれたり、おまけに１本多くつけてくれたりしてくれるらしい。

母としては、うどん屋のおばちゃんに気に入られるよりも、女の子の一人にでも気に入られ、学校が早く終わる日には二人で勉強するなり、将来を語り合うなりしておくれ。
それでなければ、もっと性根を入れて勉強せい！
もう、来年は大学以外の授業料は払いたくないからね。
頼んだぜ。