苦しい検査

お風呂で洗顔中、右目に違和感を感じた。
ワイパーのような黒い筋が見え隠れしたのである。
目だけに、手遅れになって見えなくなると困る、ということで翌日大急ぎで眼医者に飛び込んだ。

ここの眼科には、もう5～6年近くかかっている。
地元密着型のお医者さまで、近所のおばあちゃんなどが通ってきている。
私は、もっぱらドライアイでかかっているのだが・・
古くからの町医者ながら、なかなかの設備で見立てもそう外れていないと思っている。
ただ。
難点は、先生の口臭と体臭。
70代の先生なので、歯周病と加齢臭がかなりのものなのである。
そう遠くないところに、新規開業の眼科もあるので、どちらにしようか悩んだはて、いつも通りのこの先生に決めた。
目の検査なので、先生との至近距離は避けて通れない。
なるべく、息を止めて検査に臨む。

が、問題はそこだけではなかったのである。
その先生、髪型が漫才師の海原はるかさんに似ている。
頭のてっぺんは毛が薄く（はっきり言えば、ない）、てっぺんを取り囲む髪の毛は、白髪交じりでひょろひょろ～となびいている。
目の中をのぞき込むとき、
「はい、壁のこのあたりを見ておいてください」
と、指示されたのは先生の肩越しに見える壁の絵。
絵を見ようとすると嫌がおうにも先生の、ひょろひょろ～とした髪の毛が目に入るのである。
普段なら、気にも留めなかったと思う。
だが、先週見た朝ドラの中に登場した海原はるかさんの頭が、脳裏をよぎり・・・
息は止めておかないといけないわ、おなかの底から湧きおこる笑いをかみ殺さねばならないわ、で苦しいのなんのって！
こんな苦しい検査は初めてだった。

おかげで、目の方は大事ではなかったのでよかったけれど・・・