ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

面倒くさがり、それとも

2007-09-14 | 砂時計
エッセイストで、奥田瑛士さんの奥さんである安藤和津さんがこんなことを言っていた。
「主人は、お医者さん嫌いで、ちっとも検診を受けようとしないんです。
だから、仕方がないので私が病気になったふりをして、病院まで付き添わせてタッチ交代したんです。」
つまり、無理矢理病院へ押し込んだ、というわけだ。

その話を聞いていて、確かにね、と納得。
私は自分が乳ガンを患う前から、自分の身体の不調に対して過剰なまでに反応するきらいがあった。
ちょっとお腹が痛いと、大腸ガンではないかしら?
胃がつかえてムカムカすると、胃ガンでは?
頭痛がすれば脳腫瘍?
心臓がドキドキすると、心筋梗塞?
と、一つ一つの症状に、自分で勝手に大病を疑い、即行病院に駆け込むタイプだった。
だが、夫は違う。
もともとかなり頑丈にできていることもあって、病気に対して鈍感である。
胃がもたれれば、キャベジン。
頭が痛ければアスピリン。
下痢が続けば、正露丸。といった具合。
サラリーマンをやっていたときには、会社から強制的に年一回の健康診断を受けさせられるからよかったものの、脱サラしてからというもの、検診と名のつくものから遠ざかっているようだ。
年齢が年齢だし、周りでもちらほら色んな病気の話を聞くと、妻としていてもたってもいられなくなる。
おまけに、たばこは吸う、お酒は飲む、と生活習慣病まっしぐらな生活を送っている。
最近は、痰がよく絡むようなので、私としては気が気ではない。
なのに、本人はいたって呑気。
「この季節は、オレの苦手な花粉が飛んでんの。鼻が流れ落ちるから痰が絡むんや。」
と、勝手に診断をくだしている。

同僚の節子さんは、50になってすぐの頃に、寡婦となった。
時折、寂しそうに語るのはご主人のこと。
「テレビを観ていて、“あ、ここへ行きたいな”と思っても一緒に行く人がいないって、寂しいものなんよ。」
と言う。
どんなに仲の良い友だちがいたとしても、皆帰るところは家族のもとだから、と。

そんな節子さんの言葉は、私の胸に深く落ちてくる。
子どもが家を巣立ち、また二人の生活に戻るとき、どちらも元気で笑っていたいから。
たとえ病気になっても、支え合いたいから。
だから、やっぱり検診は受けて欲しいと思うのだ。

男性に多い、医者嫌いのひとというのは、面倒くさがりのふりをしているが、本当は恐がりなのじゃないか、と私は思ったりもする。
世界一の長寿になった宮崎のおじいちゃんは、たばこもお酒ものまないのが長寿の秘訣、と語ったそうだ。
世界一の長老になってくれとは言わないが、一日でもいいから私より先には旅立たないで欲しいと思う。

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6 コメント

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怖がり (nacco)
2007-09-15 08:16:40
うちのオットくんも病院嫌いです。
「忙しい」「面倒」って言うんですが、
私も怖がりなせいだと思っています。
今って病気の番組、多いじゃないですか。
そういうのは、ちゃんと(?)見てたり。
私は普段のんきなのですが、
変なことがあると気になってすぐに病院に行っちゃいます。
私も子どもが家を巣立ち、また二人の生活に戻るとき、
どちらも元気で笑っていたいなあ!
最後の言葉、オットくんにすごく言われます。
5分でもいいから、自分より後にして欲しいって。
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やっぱ (CITROEN)
2007-09-15 20:17:16
そうよね?
naccoさんもそう思う?
男の人って、けっこう恐がりなんだと思うわ。
現実を突きつけられるのがコワイんじゃないかな?
会社の上司とかも、相当異常値があがらないと病院に行かないもん。
そうなると余計に大事になっちゃうんですけどね・・

旦那様、naccoさんに看取って欲しいと思ってるんですね
私も~。
きっと夫もそうだと思うけど、事故で一気に一緒に死ぬ意外無理な相談ですよね
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まったくです (のぴ)
2007-09-15 22:36:54
オトコは基本的に怖がりで痛みに弱い、と思う。
だから虚勢を張って強く見せるのよ。
ウチのオットも健康に不安があるとか言ってジョギングや筋トレするくせに、3年間検診で(再検でも)引っかかった肝機能低下、とうとう受診しなかった
(今年は引っかからなかったらしい)
(まだ再検にはなってないけど尿酸値も高め→痛風の恐怖が待っている)
私は医療関係の端っこにぶら下がっているので、相談する相手もいるし、処方箋枚数を稼ぐため(笑)にわりとマメに?病院行きます。
市販薬で抑えられるかどうかは体験的にだいたいわかるし…。

ちなみに鼻水が流れ落ちて痰になることはない気がする(笑)
>痰は、気道の分泌液や、粘膜の炎症やうっ血などで生じた物質、細菌、異物、唾液などの混じったもので、せきとともに排出されます。呼吸器系に感染などの病気がある証拠と考えられています。
って、どこかのサイトに書いてあったよ。
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ほんとにね。 (CITROEN)
2007-09-16 20:39:23
のぴさん、こんばんは。
試験勉強ははかどっていますか?

舅とか、強烈なびびりだったので、お医者さん大好きなひとでした。でも、熱と痛みに弱かった(笑)
夫はその反動か、医者嫌い。
のぴさんのご主人、尿酸値高めなんだ・・
のぴさんといっしょにマクロビオティック生活すればノープロブレムなのにね

痰、ってそうなの?
息子が通ってた耳鼻科の先生が、そーゆー説明をして以来、夫の持論になってたんだけど。
やっぱり、是が非でも検査に行かせよう
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節子さんの言葉 (Roco)
2007-09-17 21:13:07
じんと来るねえ。
私も残されるのは嫌だなあ、とつくづく思います。
かと言って長い介護もどうよ・・・と、義母を見ていると思う昨今・・・・・

うちのダンナは
世の男っぽい男の人とは違う、と思うこと多数ですが、
検診もしかり、で、必ず行きます。そして少し具合が悪いと、「喉が少し痛い」とかいう程度でも医者に行きます。もともと弱いのでこまめにメンテナンスが必要なんだとか。
私の方がめんどくさい、という理由で行きません。
気を付けねばな~。
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なかなか (CITROEN)
2007-09-17 22:30:11
思うようにはいかないのが、人の寿命ですね。

確かに、長患いというのは看護するのが大変よね。
姑も、あとあの状況が半年も続いたら自分がアウトになってた、といまだに言うよ。

節子さんは、本当に気の毒です。
ヨメ1号があの状況なので、家族でどこかへでかける、というのも無理だしね。
まぁ、家族の核となるのはやっぱり夫婦なのかな、とも思う。

あはは、Rocoさんちは奥さんの方が男っぽいってことかしら?
つくづくいいコンビだね、Rocoさん夫婦。
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