今まで、よほど何かがない限り夫のいない夜はなかった。
私以外誰もいない家の中、寂寥感や不安に押しつぶされそうになる。
当然食欲などわくはずもなく。
一日走り回り、疲れ切っているはずなのに頭はパンパンになっていて眠気も襲ってこない。
これから、どうしよう。
まずは、自営である夫の仕事先を片付けることから入らねばならないだろう。
まるっきり夫の仕事に関してはノータッチできた私である。
何をどうしたらいいものやらさっぱりわからない。
施設に入っている姑のこともある。
とりあえず、施設に入っていさえいれば、身の回りのことはすべてスタッフの人たちがしてくれるから心配はいらない。
しかし、夫が倒れたこと、入院したことをどのように伝えようか。
身体機能は衰えているが、頭は衰えていない姑のこと、きっと心配するだろう。
私が直接伝えるより、信頼しているスタッフにうまく伝えてもらうほうがいいかもしれない。
そんなことをあれやこれや、考えていると目はますます冴えわたり、眠ることなどできなくなってしまった。
少しでも寝て、体力を温存しないと私がここで倒れてしまってはどうしようもない。
そんなことを思うと、ますます眠れない。
何より、これからの生活のことを考えるとどうすればいいのかが全くわからなくなり、不安でいっぱいになった。
家計のことは、すべて夫に任せきりだったので、早い話病院の支払いのことすら、私はどうしたらいいのかわからなかったのだ。
もし、夫がこのまま車いすの生活になってしまうと、私は働きに行くことすらできなくなってしまう。
どうしたらいいんだろう・・・
なんでこんなことになってしまったんだろう・・
今まで頭の中で危険信号が点滅することは何度もあった。
その時、嫌がる夫を引っ立ててでも、どうして病院へ連れて行かなかったんだろう。
私は、どこかでこんな日が来ることを予測していた気がした。
良いことの勘は当たらないけれど、悪いことの勘はよく当たる。
何で、何で、何で・・
ほとんど一睡もできないまま、最初の夜はあけた。
午前中は休みを取って、病院へ行く。
点滴につながれた夫が、うつろなまなざしで私を見る。
「ごめんな・・」
一言夫がつぶやいた。
「ほんまに・・・。長嶋監督のこと言うてる場合ちゃうやんか。自分も同じ病気になってどーすんの」
ひきつった笑顔で
「ほんまやな・・」と返す夫。
とりあえず、会話ができる状態にほっとする。
まだ、口はしびれたままの状態のようだが、そうひどい様子でもなさそうである。
翌日からは、私も朝から出社。
お昼頃、夫からメールが入りびっくり。
「ラジオからツェッペリンの天国への階段が流れてきたわ」と。
メールが打てた!
ラジオ、ツェッペリン、天国への階段
それらの単語が記憶域から引き出せた!
そんなささいなことに感動する。
それはそれとして、夫の仕事先の片づけは困難を極めた。
取引先への連絡やら、仕事場の明け渡しやら、なんやらかんやら・・
11月中にめどをつけねばならない。
どうしよう・・
思いつくありとあらゆる知り合いに連絡を取って、助けを乞う。
今季の朝ドラで、宮崎あおいさん扮するはつさんが呟いていた。
「忙しいことがええこともあるねんわ・・」
その言葉の意味を、身をもって知った去年の11月だった。
私以外誰もいない家の中、寂寥感や不安に押しつぶされそうになる。
当然食欲などわくはずもなく。
一日走り回り、疲れ切っているはずなのに頭はパンパンになっていて眠気も襲ってこない。
これから、どうしよう。
まずは、自営である夫の仕事先を片付けることから入らねばならないだろう。
まるっきり夫の仕事に関してはノータッチできた私である。
何をどうしたらいいものやらさっぱりわからない。
施設に入っている姑のこともある。
とりあえず、施設に入っていさえいれば、身の回りのことはすべてスタッフの人たちがしてくれるから心配はいらない。
しかし、夫が倒れたこと、入院したことをどのように伝えようか。
身体機能は衰えているが、頭は衰えていない姑のこと、きっと心配するだろう。
私が直接伝えるより、信頼しているスタッフにうまく伝えてもらうほうがいいかもしれない。
そんなことをあれやこれや、考えていると目はますます冴えわたり、眠ることなどできなくなってしまった。
少しでも寝て、体力を温存しないと私がここで倒れてしまってはどうしようもない。
そんなことを思うと、ますます眠れない。
何より、これからの生活のことを考えるとどうすればいいのかが全くわからなくなり、不安でいっぱいになった。
家計のことは、すべて夫に任せきりだったので、早い話病院の支払いのことすら、私はどうしたらいいのかわからなかったのだ。
もし、夫がこのまま車いすの生活になってしまうと、私は働きに行くことすらできなくなってしまう。
どうしたらいいんだろう・・・
なんでこんなことになってしまったんだろう・・
今まで頭の中で危険信号が点滅することは何度もあった。
その時、嫌がる夫を引っ立ててでも、どうして病院へ連れて行かなかったんだろう。
私は、どこかでこんな日が来ることを予測していた気がした。
良いことの勘は当たらないけれど、悪いことの勘はよく当たる。
何で、何で、何で・・
ほとんど一睡もできないまま、最初の夜はあけた。
午前中は休みを取って、病院へ行く。
点滴につながれた夫が、うつろなまなざしで私を見る。
「ごめんな・・」
一言夫がつぶやいた。
「ほんまに・・・。長嶋監督のこと言うてる場合ちゃうやんか。自分も同じ病気になってどーすんの」
ひきつった笑顔で
「ほんまやな・・」と返す夫。
とりあえず、会話ができる状態にほっとする。
まだ、口はしびれたままの状態のようだが、そうひどい様子でもなさそうである。
翌日からは、私も朝から出社。
お昼頃、夫からメールが入りびっくり。
「ラジオからツェッペリンの天国への階段が流れてきたわ」と。
メールが打てた!
ラジオ、ツェッペリン、天国への階段
それらの単語が記憶域から引き出せた!
そんなささいなことに感動する。
それはそれとして、夫の仕事先の片づけは困難を極めた。
取引先への連絡やら、仕事場の明け渡しやら、なんやらかんやら・・
11月中にめどをつけねばならない。
どうしよう・・
思いつくありとあらゆる知り合いに連絡を取って、助けを乞う。
今季の朝ドラで、宮崎あおいさん扮するはつさんが呟いていた。
「忙しいことがええこともあるねんわ・・」
その言葉の意味を、身をもって知った去年の11月だった。
また こちらでシトロエンさんの文章に会えるのは私にとっては喜びです。
一年経って、ようやく少し自分の暮らしが戻ってきた気がします。
体重も、一時7キロ落ちたのも、もう4キロは戻ってしまいました。
嬉しいやら、悲しいやら・・
また、夫の病気以外の普通の暮らしのことがつづっていけたらな、と思っています。
よろしくお願いします
私もふらっと立ち寄り、更新されているのに驚き、そして記事の内容にドキッとしました。
時々メールしようかな…と思っていたのですが、まさかそんな大変なことになっていたとは想像だにしませんでした。
こうやって1年前を振り返り、言葉にできると言うことは少し落ち着いたということでしょうか。
またお話できる機会ができたのは嬉しいですが…
おかげさまで、夫もそう酷い状況ではなく、見た目は健康な人と変わらないまでに回復しました。
私の体重も、もとに戻ってしまい、ガッカリですが・・(笑)
おはつさんじゃないけど、ようやく私にも笑顔が戻ってきた気がします。
また、ぜひ戯言にお付き合いください。