あれよあれよの四か月

この５年の間、私を悩ませ続けたハヤシ海苔子女史の突然の辞表提出で幕を開けた５月。
引継ぎもせぬまま会社を去った海苔子さんに変わり、驚くほどよくできたひとが入ってきた。
まだ年齢は３０代半ばにも関わらず、気はよくつくし働き者。
性格も明るく、裏表のない性格で誰からも好かれている。
まともに引継ぎをしてもらえなかった分、彼女の頑張りは傍で見ていてもかわいそうになるほど。
ちょこちょこ間違いはするけれど、言い訳もせず、ひたすら前向きに取り組む姿はいじらしい。
そんな可愛い人のおかげで、私の残り少ない会社員生活も俄然楽しくなってきた。

そんなこんなで、気づけば虫の声が聞こえ始めている。

声、といえば今年は４０年ぶりにナマの小田さんを聞いた。
さすがに７０近くになり、４０年前と同じ高さの声は出なくなっていはいるものの、透明感のある声は変わらず美しい。
私がファンだったころの曲も織り交ぜながらのコンサートは、なぜか遠くに感じられた。
去年、ろくにきいたこともなかったスピッツのライブの方が、よほど楽しくて聞きごたえがあるように感じたのはなぜなのだろう。
時間の流れと、気持ちの変化と、好みの移ろい。
胸に去来するものをかみしめながらの３時間だった。

週末ごとに楽しんでいた「ちびまるこちゃん」の作者の訃報も驚きだった。
オムツをつけた息子が踊るポンポコリンに合わす姿は、今も私を和ませる。
罪のない笑いが、ささくれた心を癒してくれた。
寂しさがひたひたと忍び寄る。

時は確実に、儚く流れている。

思い出すまま書き散らし、夏が去ってゆく。