食べ方の作法

お昼に、行きつけの麺もののお店へ行った。
昼時を少しはずれた時間だったので、空いているかと思いきや駐車場は満杯。
しばらく待って、クルマを止め中に入ると、お店の中は意外に空いている。
くるっと見渡すと、この店をタウン情報誌で見てやってきた風の客が多そうだ。
常連との違いは、食べるスピード。
薀蓄を語りながら食べていたり、写真を撮っていたりする。
まぁ、それはよしとして、気になるのは食べ方。

麺もののお店で、よくみかける光景だが、若い女の子が、片手で髪の毛を押さえながら、一本ずつ音をたてずに食べている。
こらこら、麺はすすって食べるものなんですよ、と言いそうになってしまう。
そんな一本ずつ、音もたてずに食べていると、麺は水分を含んでどんどん柔らかくなってしまうじゃないか。せっかく、しこしこした状態で食べてもらいたいと出してくれた店側の気持ちが踏みにじられるじゃないか。
そんなまずそうに食べられると、そばで食べている者までもが、まずく感じてしまう。

食べ物には、それぞれ食べ方の流儀みたいなものがあって、和麺やラーメンは、すすって食べるのが流儀だし、パスタは音をたてずに食べるのが作法だろう。
それを、さも「私は綺麗に食べておりますのよ。」と言わんばかりの食べ方はやめてほしい。

反対に、何でもすすって食べる人、くちゃくちゃ音をさせながら食べる人がいるが、それもいただけない。
お上品に食べなさいよ、とは言わないが、まわりで見ていて不快にならない、そんな食べ方を心がけたい、と人の振りを見てあらためて思う。