白い粉の魔力

もう、何年になるだろうか。
「重曹」という白い粉の魔力に取り憑かれたのは。
おそらく、子どもを産んで、本格的に主婦業に手を染めた頃からだから、１４，５年前だろう。
それまで共働き主婦で、生協にも入れなくて、出産を契機に生協に加入して、「重曹」の存在を知った。

子どもが口にする、食器、オモチャを洗剤で洗うことに抵抗を感じ、「重曹」を使ったのが始まりだ。
それ以来、磨き掃除をするたびに、ささっと振り掛ける。
軽い力で、驚くほどピッカピカになるのがいい。
ものぐさな私なのだが、光るモノが曇っているのは、どうも落ち着きが悪くて、案外面倒がらずに磨こうとする。
グラスの類も、毎日使うとどんよりしてくるものだが、重曹で洗うとすっきりと透明感を取り戻してくれる。
手ががさがさになることもなく、反対につるつるするくらい。
洗顔時に泡立てた石鹸に混ぜて、洗うとパックしたてのようにすっきりする。
排水溝のパイプが汚れてくると、ささっと振り掛け、安い穀物酢を流す。しゅわしゅわっと化学反応を起こす様をみるのも楽しい。

昨日は、スローライフに撤したので、みかんの皮を煮出した汁で掃除したり、重曹で磨いてみたり、ちょっとあちこちがすっきりした。こういうことを、朝早く起きてデイリーにささっとできれば、私っていい主婦かもしれない。が、朝は５分でも長く寝ていたいし、空いた時間は、本を読んだり、手芸をしたりしていたい。
白い粉の魔力は、手抜き主婦のまとめ掃除にこそ役立つものなのかもしれない。