主婦時間

昼から休みを取り、友人と会う。
一度家に戻って、クルマを出した。
ハンドルを握るのは久しぶりのことだ。うまく、運転できるかどうか心配しながら幹線道路に出る。
お昼時なので、道はよく空いていた。
バス停で友人を乗せ、郊外のカフェレストランに向かう。
美味しいかどうかは知らないが、クーポン雑誌に出ていた店のなかで、こましな感じだったので選ぶ。
１時を過ぎた時間なのに、店内は混んでいて、中にすら入ることができず、しばしエントランスで待つ。
室内側のドアのそばに立つ、巻き髪で長い爪に美しくマニュキアを塗った主婦は、ドアの外に立つ私達に気付いていながら、中に招じ入れようともしない。
店員も、出てくるでもなく蒸し暑いエントランスで待たされること１５分ほど。
そのうち、私達の次の客もやってきた。そのグループから、
「名前かなんかを書いておくのですか？」と尋ねられたりしているうちにようやくサーヴィスの係りがボードを持って出てきた。
タバコのヤニの目立つすきっ歯で茶髪のその店員が、待ち時間がどれくらいになるかはわからない、と言う。
この、暑いエントランスで延々待たされるのか、と尋ねると全く時間は読めませんので、という。
限られた時間であるし、待って入るほどの店とも思えず、そこを出た。
なんだか、そのヤニのついた歯の不快感と共に、忙しいとはいえ気の利かない店員にもげんなりさせられた。

そんなことはあったけれど、久々に会う友人との会話は尽きるところを知らず、とても楽しい。
次にいった店も、その次に行った店も主婦で混み合っていた。
久々に持った主婦時間。
今度は、こんなシロウト料理に毛の生えた程度のものに高いお金を払うくらいなら、何時間でもゆったりと寛いでもらえるよう、我家にお招きしよう、と思う。
そのためにも、きちんと家の中を整えておかなくては、ね。