1時間前に家に帰ってきました。
さっき聴いた大萩康司さんと松尾俊介さんの「タンゴ組曲」がずっと耳に残っています。
今日、池袋の東京芸術劇場・プレイハウスで大萩さんと松尾さんのギターデュオのコンサートがありました。
『TV朝日開局55年記念 なんでも!クラシック2014』「ギターってなに?ミドルエイジから“はじめる”クラシック」という題名でした。題名から初心者向けのように受け取れますが、内容は充実していて、全然、初心者向けじゃなかった気がします。
松尾さんのギターを聴くのは初めてでした。
松尾さんも大萩さんと同じくパリの国立高等音楽院をトップで卒業して、その手腕が評判になっていたので、いつか聴きたいと思っていたのですが、何と!大萩さんとデュオでコンサートをするということで、昨年からとても楽しみにしていました。
初めて聴いた松尾さんはやっぱりテクニック抜群で、(当たり前か・・・)バロックが得意そうという印象でした。最初のご自身が編曲したカンタータが松尾さんのギターにとっても似合ってました。
大萩さんはいつもどおり、表現が豊かで、多様な色彩を感じる音色で・・・良く言われる「ギターの詩人」というキャッチがぴったり。
それに弾いている姿も格好良くて、高校時代にハンドボール選手だったからなのか、体幹がしっかりしている感じで、きりっとしてて大好き♥ <すいません。ずーと彼のファンなのでm(_)m >
今日は、タンゴの革命児と言われたピアソラが超絶技巧のアサド兄弟のために作ったという「タンゴ組曲」がすごい迫力でした。昨年、大萩さんとバンドネオンの三浦一馬君の演奏でこの曲を聴いた時もすごかったけど、やっぱり原曲がギターデュオ用なので、本来の形で聴いたら(しかも、日本のギターリストの俊英2人のギターで)、やっぱりこの組曲の面白さが良く分かって、大満足でした。
<蛇足ですが>やっぱり私は大萩さんのギターの音が大好きで、自分でも無意識に大萩さんの音を探してしまっていました。以前、大萩さんがトリオで演奏した時も、やっぱり同じだったので、しみじみ、大萩さんのギターが好きなんだなぁと自覚しました。
今日、残念だったのは午前の部「キッズのためのクラシック」で演奏された『ボサノバ・ドラえもんのうた』が聴けなかったことです。世界初演だったそう!
大萩さんもMCで、午前の部で『ボサノバ・ドラえもんのうた』を初演したことを嬉しそうに話してました。
クラシックギターで「ドラえもん」って? しかも、ボサノバ???
本当に聴きたかったなぁ~。残念!
あと、MCであのギター侍の「波田陽区」とラジオで共演したことも嬉しそうに話してました。何日か前に、彼のブログで仲良くふたりで撮った写真をアップしているのを見て笑っちゃったんだけど、やっぱり大萩さん、楽しかったんですね。
それにしてもどうしてそんな共演をすることになったんだったのだろ?単純にギターつながり???
(=^ェ^=) (=^ェ^=) (=^ェ^=)
************************************************************************
今日のセットリストはこんな↓感じです。ついでに(私のお勉強のために)解説も載せときます。
【セットリスト&解説】
◆1 バッハ(松尾俊介編):カンタータ第29番「神よ、感謝します」BWV.29〜シンフォニア
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685〜1750)の教会カンタータは、キリスト教の礼拝行事のために作られたもので、全部合わせると200曲を超える音楽史上の一大鉱脈です。バッハを得意とする名手松尾俊介(1979〜)のアレンジによる晴れやかなバロックです。
◆2 アルベニス(リョベート編):組曲「旅の思い出」〜入江のざわめき
スペインのカタルーニャに生まれたイサーク・アルベニス(1860〜1909)は、幼少から神童といわれ、パリを中心に、ドイツ、英国等ヨーロッパ各地でピアノ演奏と作曲を行いました。中でも、創作の中枢を占めるピアノ曲の評価が高く、音楽史上重要な作曲家の一人です。1887年の「旅の思い出」第6曲「入江のざわめき」は、スペイン南部の名高い港湾都市マラガを描写した短い佳品。当地の民謡マラゲーニャを巧みに取り入れ、明るい太陽の下、海のさざ波とさんざめく街路が目に見えるようです。
◆3 アルベニス(リョベート編):組曲「スペインの歌」〜椰子の木陰にて
1896年から97年の作曲と思われ、5曲あるうちの第3曲、「椰子の木陰」が最も有名です。標題通り、ミディアムなテンポで歌われる南国情緒が⼼地良く、世界中のテレビCMに使われています。なお、以上2曲を編曲したミゲル・リョベート(1878〜1938)は、アルベニスと同郷の大ギタリスト、作曲家で、アルベニスの霊感にギター巨匠時代のエッセンスを注入した名アレンジとなっています。
※スペイン風が楽しかった。もう一度聴きたい曲です。
◆4 タレガ:アルハンブラ宮殿の思い出 <大萩さんのソロ>
「近代ギターの⽗」と呼ばれるフランシスコ・タレガ(1852〜1909)の代表作にして、史上最も良く知られたギター曲の一つ。アンダルシアのイスラム建築、アルハンブラ宮殿を訪れた際、庭園の噴水にたたずんで着想が湧いたそうです。繊細なトレモロ奏法を最大限に活用し、深い詩情の綾を作り出した名曲です。
◆5 ポンセ:間奏曲
メキシコを代表する作曲家の一人、マヌエル・ポンセ(1882〜1948)のピアノ小品を2台のギター用に編曲したもの。パリに学んだため、ロマン派と印象派の両面を兼ね備え、自国の音楽と融合を図った作風が良く現れています。
※小品だけど、素敵な曲でした。これもまた聴きたい。
◆6 伝ルビーラ:愛のロマンス (松尾さんのソロ)
映画「禁じられた遊び」の有名な挿入曲です。従来、スペイン民謡が発祥といわれてきましたが、近年、スペインのギタリスト、アントニオ・ルビーラ(1825〜1890)が作曲した「練習曲」が原曲と考えられています。
◆7 レノン&マッカートニー(ブローウェル編):シーズ・リーヴィング・ホーム
◆8 レノン&マッカートニー(ブローウェル編):ペニー・レイン
ビートルズのナンバーから2曲。1967年全英2位、全米1位の「ペニー・レイン」、そして同じ年、アルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に収録された「シーズ・リーヴィング・ホーム」です。アレンジのレオ・ブローウェル(1939〜)は、キューバのハバナに生まれた現代ギター界の鬼才。前衛的なものから、母国や南米のアイデンティティを追求した作品、近年の懐古的なロマン主義的傾向まで、実にさまざまな作⾵を持ちます。いずれも水際立った手腕が光り、特に、ポール・マッカートニー(1942〜)のさりげない転調技法を淡いボサノバ⾵に味付けした「ペニー・レイン」が絶品です。
※ビートルズの曲は武満徹さんのアレンジを、大萩さんのソロで聴いていましたが、ブローウェルのこれらの方が、ギター2台で曲に厚みがあるし、とにかく楽しくって良かったです。
◆9 ピアソラ:タンゴ組曲
第1曲デチーゾ
第2曲アンダンテ
第3曲アレグロ
音楽の歴史を変えた音楽家の一人に、アルゼンチン生まれのアストル・ピアソラ(1921〜1992)がいます。当初、父親のレストランでバンドネオンを演奏していたピアソラは、タンゴに限界を感じ、パリの作曲家、ナディア・ブーランジェの門を叩きます。しかし、むしろタンゴの可能性を痛感する結果となり、以来、前衛的な演奏と作曲を繰り広げ、タンゴの革命児と呼ばれました。「タンゴ組曲」は、1983年、ブラジルの天才ギタリスト、アサド兄弟のために書いたオリジナルのギター二重奏曲で、哀愁と情念が渦巻くピアソラの世界を余すところなく表しています。なお、デチーゾ、アンダンテ、アレグロの各標記は順に、決然と、歩く速さで、速く、という意味の音楽用語です。
※タンゴとありますが、一回タンゴの形を壊して、再構築したような印象です。お二人のギターの技と表現力の素晴らしさに何回も鳥肌が立ちました。
さっき聴いた大萩康司さんと松尾俊介さんの「タンゴ組曲」がずっと耳に残っています。
今日、池袋の東京芸術劇場・プレイハウスで大萩さんと松尾さんのギターデュオのコンサートがありました。
『TV朝日開局55年記念 なんでも!クラシック2014』「ギターってなに?ミドルエイジから“はじめる”クラシック」という題名でした。題名から初心者向けのように受け取れますが、内容は充実していて、全然、初心者向けじゃなかった気がします。
松尾さんのギターを聴くのは初めてでした。
松尾さんも大萩さんと同じくパリの国立高等音楽院をトップで卒業して、その手腕が評判になっていたので、いつか聴きたいと思っていたのですが、何と!大萩さんとデュオでコンサートをするということで、昨年からとても楽しみにしていました。
初めて聴いた松尾さんはやっぱりテクニック抜群で、(当たり前か・・・)バロックが得意そうという印象でした。最初のご自身が編曲したカンタータが松尾さんのギターにとっても似合ってました。
大萩さんはいつもどおり、表現が豊かで、多様な色彩を感じる音色で・・・良く言われる「ギターの詩人」というキャッチがぴったり。
それに弾いている姿も格好良くて、高校時代にハンドボール選手だったからなのか、体幹がしっかりしている感じで、きりっとしてて大好き♥ <すいません。ずーと彼のファンなのでm(_)m >
今日は、タンゴの革命児と言われたピアソラが超絶技巧のアサド兄弟のために作ったという「タンゴ組曲」がすごい迫力でした。昨年、大萩さんとバンドネオンの三浦一馬君の演奏でこの曲を聴いた時もすごかったけど、やっぱり原曲がギターデュオ用なので、本来の形で聴いたら(しかも、日本のギターリストの俊英2人のギターで)、やっぱりこの組曲の面白さが良く分かって、大満足でした。
<蛇足ですが>やっぱり私は大萩さんのギターの音が大好きで、自分でも無意識に大萩さんの音を探してしまっていました。以前、大萩さんがトリオで演奏した時も、やっぱり同じだったので、しみじみ、大萩さんのギターが好きなんだなぁと自覚しました。
今日、残念だったのは午前の部「キッズのためのクラシック」で演奏された『ボサノバ・ドラえもんのうた』が聴けなかったことです。世界初演だったそう!
大萩さんもMCで、午前の部で『ボサノバ・ドラえもんのうた』を初演したことを嬉しそうに話してました。
クラシックギターで「ドラえもん」って? しかも、ボサノバ???
本当に聴きたかったなぁ~。残念!
あと、MCであのギター侍の「波田陽区」とラジオで共演したことも嬉しそうに話してました。何日か前に、彼のブログで仲良くふたりで撮った写真をアップしているのを見て笑っちゃったんだけど、やっぱり大萩さん、楽しかったんですね。
それにしてもどうしてそんな共演をすることになったんだったのだろ?単純にギターつながり???
(=^ェ^=) (=^ェ^=) (=^ェ^=)
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今日のセットリストはこんな↓感じです。ついでに(私のお勉強のために)解説も載せときます。
【セットリスト&解説】
◆1 バッハ(松尾俊介編):カンタータ第29番「神よ、感謝します」BWV.29〜シンフォニア
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685〜1750)の教会カンタータは、キリスト教の礼拝行事のために作られたもので、全部合わせると200曲を超える音楽史上の一大鉱脈です。バッハを得意とする名手松尾俊介(1979〜)のアレンジによる晴れやかなバロックです。
◆2 アルベニス(リョベート編):組曲「旅の思い出」〜入江のざわめき
スペインのカタルーニャに生まれたイサーク・アルベニス(1860〜1909)は、幼少から神童といわれ、パリを中心に、ドイツ、英国等ヨーロッパ各地でピアノ演奏と作曲を行いました。中でも、創作の中枢を占めるピアノ曲の評価が高く、音楽史上重要な作曲家の一人です。1887年の「旅の思い出」第6曲「入江のざわめき」は、スペイン南部の名高い港湾都市マラガを描写した短い佳品。当地の民謡マラゲーニャを巧みに取り入れ、明るい太陽の下、海のさざ波とさんざめく街路が目に見えるようです。
◆3 アルベニス(リョベート編):組曲「スペインの歌」〜椰子の木陰にて
1896年から97年の作曲と思われ、5曲あるうちの第3曲、「椰子の木陰」が最も有名です。標題通り、ミディアムなテンポで歌われる南国情緒が⼼地良く、世界中のテレビCMに使われています。なお、以上2曲を編曲したミゲル・リョベート(1878〜1938)は、アルベニスと同郷の大ギタリスト、作曲家で、アルベニスの霊感にギター巨匠時代のエッセンスを注入した名アレンジとなっています。
※スペイン風が楽しかった。もう一度聴きたい曲です。
◆4 タレガ:アルハンブラ宮殿の思い出 <大萩さんのソロ>
「近代ギターの⽗」と呼ばれるフランシスコ・タレガ(1852〜1909)の代表作にして、史上最も良く知られたギター曲の一つ。アンダルシアのイスラム建築、アルハンブラ宮殿を訪れた際、庭園の噴水にたたずんで着想が湧いたそうです。繊細なトレモロ奏法を最大限に活用し、深い詩情の綾を作り出した名曲です。
◆5 ポンセ:間奏曲
メキシコを代表する作曲家の一人、マヌエル・ポンセ(1882〜1948)のピアノ小品を2台のギター用に編曲したもの。パリに学んだため、ロマン派と印象派の両面を兼ね備え、自国の音楽と融合を図った作風が良く現れています。
※小品だけど、素敵な曲でした。これもまた聴きたい。
◆6 伝ルビーラ:愛のロマンス (松尾さんのソロ)
映画「禁じられた遊び」の有名な挿入曲です。従来、スペイン民謡が発祥といわれてきましたが、近年、スペインのギタリスト、アントニオ・ルビーラ(1825〜1890)が作曲した「練習曲」が原曲と考えられています。
◆7 レノン&マッカートニー(ブローウェル編):シーズ・リーヴィング・ホーム
◆8 レノン&マッカートニー(ブローウェル編):ペニー・レイン
ビートルズのナンバーから2曲。1967年全英2位、全米1位の「ペニー・レイン」、そして同じ年、アルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に収録された「シーズ・リーヴィング・ホーム」です。アレンジのレオ・ブローウェル(1939〜)は、キューバのハバナに生まれた現代ギター界の鬼才。前衛的なものから、母国や南米のアイデンティティを追求した作品、近年の懐古的なロマン主義的傾向まで、実にさまざまな作⾵を持ちます。いずれも水際立った手腕が光り、特に、ポール・マッカートニー(1942〜)のさりげない転調技法を淡いボサノバ⾵に味付けした「ペニー・レイン」が絶品です。
※ビートルズの曲は武満徹さんのアレンジを、大萩さんのソロで聴いていましたが、ブローウェルのこれらの方が、ギター2台で曲に厚みがあるし、とにかく楽しくって良かったです。
◆9 ピアソラ:タンゴ組曲
第1曲デチーゾ
第2曲アンダンテ
第3曲アレグロ
音楽の歴史を変えた音楽家の一人に、アルゼンチン生まれのアストル・ピアソラ(1921〜1992)がいます。当初、父親のレストランでバンドネオンを演奏していたピアソラは、タンゴに限界を感じ、パリの作曲家、ナディア・ブーランジェの門を叩きます。しかし、むしろタンゴの可能性を痛感する結果となり、以来、前衛的な演奏と作曲を繰り広げ、タンゴの革命児と呼ばれました。「タンゴ組曲」は、1983年、ブラジルの天才ギタリスト、アサド兄弟のために書いたオリジナルのギター二重奏曲で、哀愁と情念が渦巻くピアソラの世界を余すところなく表しています。なお、デチーゾ、アンダンテ、アレグロの各標記は順に、決然と、歩く速さで、速く、という意味の音楽用語です。
※タンゴとありますが、一回タンゴの形を壊して、再構築したような印象です。お二人のギターの技と表現力の素晴らしさに何回も鳥肌が立ちました。
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